振袖の正しい持ち運び方は?シワにならない方法やおすすめアイテムを紹介

振袖の正しい持ち運び方について紹介します。成人式や結婚式など、お祝いシーンでの着用に人気の振袖。華やかで美しい姿で晴れの日を迎えるためには、振袖を正しく持ち運ぶことが大切です。

この記事では振袖の持ち運び方法やおすすめのアイテム、荷造りのポイントについて詳しく解説するので、参考にしてみてください。

目次

振袖は持ち運びに注意しよう

振袖は一般的な洋服とは異なり、重くシワになりやすいため持ち運びに注意が必要です。着用する当日になって慌てないよう、持ち運びの基本を押さえておきましょう。

振袖は重さがある

華やかな振袖ですが、実はかなりの重量があります。一式揃えると5キロ以上にもなることがあり、持ち運びには十分注意が必要です。特に長時間の移動や階段の上り下りなどでは、転んだり、振袖を落としたりしてしまわないよう気をつけましょう。

シワになりやすい

振袖はシルクをはじめ、シワになりやすい素材でできています。普段着ている洋服よりもシワになりやすいことを理解し、丁寧に深く持ち運びましょう。

ちょっとしたことで折り目がついてしまうこともあるので、取り扱いには細心の注意を払う必要があります。

なお、レンタルや購入したお店が提携している着付け先に事前郵送できる場合もあります。この場合、自分で持ち運ぶ手間がかからないためとても便利です。

振袖の持ち運び方は?おすすめアイテム3選

振袖を持ち運ぶ際は、持ち運び用のバッグやケースを用意しましょう。おすすめのアイテムは以下の通りです。

スクロールできます
アイテム特徴相場
着物バッグ着物を持ち運ぶための専用のバッグ。
固定ベルト付きで使いやすい。
5,000円〜20,000円
大きい風呂敷柔軟な包み方が可能3,000円〜10,000円
スーツケースやキャリーケース代替手段として使用可既存のものを使用

着物バッグ

着物バッグは着物を持ち運ぶために設計された専用のバッグです。振袖をシワにならないように固定するためのベルト付きで、シワにならないよう持ち運べる仕様になっています。レンタルの場合、このバッグに入った状態でレンタルできることが多いです。

使い方も簡単で、保護性にも優れているため、初めて振袖を持ち運ぶ方におすすめ。価格帯はさまざまですが、数千円程度で購入できるものがほとんどです。

大きい風呂敷

出典:photoAC

着物バッグを用意することが難しい場合、大きい風呂敷も活用できます。長さ100cm前後のサイズのものを使うとよいでしょう。

風呂敷は使い方次第でさまざまな形に包むことができるので、振袖や着物を持ち運ぶ以外の用途にも使えます。また、和の雰囲気も楽しめるので、振袖との相性もばっちりです。

スーツケースやキャリーケース

出典:photoAC

スーツケースやキャリーケースはシワになりやすくおすすめの方法ではないものの、上記2つのアイテムがない場合の代替手段としては使用可能です。

使用する場合はシワにならないよう、中身をしっかり詰めて、中で着物が動かないように固定します。また、旅行用のケースには汚れがついていないか、事前によく確認しましょう。

振袖を持ち運ぶときの注意点

続いて、振袖を持ち運ぶときのポイントをご紹介します。

  • 持ち運ぶ直前に荷造りする
  • できるだけ水平にして運ぶ
  • 急な雨でも濡れないようにする
  • 小物アイテムの忘れ物に注意

それぞれ見ていきましょう。

持ち運ぶ直前に荷造りする

早すぎるタイミングで荷造りをすると、長期間保管している間にシワや折り目がついてしまう可能性があります。そのため、持ち運ぶ直前に荷造りをするのが理想です。

シワにならないように畳んでたとう紙に入れておき、持ち運ぶ直前に取り出して荷造りをしましょう。長期間しまっていたママ振などは、一度出して吊るしておくことをおすすめします。

できるだけ水平にして運ぶ

振袖は縦に立てて運ぶと、重みでシワができやすくなります。そのため、できるだけ水平な状態で運ぶことが大切です。バッグや風呂敷を使用する際も、この点に注意しましょう。

急な雨でも濡れないようにする

着物は水濡れに非常に弱いため、防水対策が欠かせません。急に天候が変わる可能性もあるので、撥水加工が施された着物バッグにしたり、ビニール袋で風呂敷を覆ったりするなどの対策を取りましょう。

また、振袖自体に撥水加工を施すことも可能です。天候が不安定な日には、特に注意が必要です。

小物アイテムの忘れ物に注意

振袖の着用には多くの小物アイテムが必要です。荷造りする際は、後述するアイテムを確認しながら行うことをおすすめします。

チェックリストを作成しておくと、より確実に忘れ物を防ぐことができます。

荷造りする際の注意点

以下では、荷造りする際の注意点を紹介します。着物バッグ、風呂敷、スーツケースやキャリーケースに分けて解説するので、参考にしてみてください。

着物バッグでの荷造り

着物バッグの場合、専用のしまい方で持ち運びます。バッグの形状によって振袖のしまい方はさまざまなので、購入時の説明書を参考にしながらていねいに収納しましょう。

多くの場合は振袖を折りたたんでバッグの底に敷き、その上に小物類を置いていきます。

風呂敷での荷造り

風呂敷での荷造りは、以下の手順で行います。

  1. 着物と長襦袢を三つ折りの状態でたたむ
  2. 風呂敷に帯を置く
  3. 振袖を置く
  4. 長襦袢を置く
  5. 小物類を置く
  6. 風呂敷を結ぶ

なお、草履バッグやショールなど、ボリュームのあるアイテムは風呂敷には入れず、紙袋などにまとめて別で運びましょう。

スーツケースやキャリーケースでの荷造り

スーツケースやキャリーケースを使用する場合は、以下の手順で荷造りをします。

  1. 帯、振袖、肌着や足袋を重ねる
  2. 上に小物類を並べる
  3. 全体を長襦袢で包む
  4. ゴムバンドで動かないように固定する

上の2つの手段と比べるとシワになりやすいですが、ゴムバンドで固定することで振袖や小物がケース内で動きにくくなり、シワや傷みを防ぎやすくなります。

振袖を着付ける際に必要なもの

振袖を着付ける際に必要なアイテムは以下になります。

ジャンル必要なアイテム
着物類・振袖
・帯
・帯締め
・帯揚げ
・伊達衿(だてえり)
肌着類・肌襦袢(はだじゅばん)
・長襦袢(ながじゅばん)
・半衿(はんえり)
・衿芯(えりしん)
・補正パッド
・裾よけ
・足袋
・タオル
小物類・伊達締め(だてじめ)
・三重仮ひも
・腰ひも
・前版
・後板
・帯枕

振袖を着付けるためには、振袖の下に着る長襦袢や帯の形を整えるための帯板など、さまざまなものが必要です。これらは着物専門店やインターネットで購入、レンタルすることができます。不足のないようしっかり準備しておきましょう。

着用後の振袖の保管方法

振袖を着用した後は、適切な保管が重要です。まず、着用直後にクリーニングに出すことが必須。クリーニング後は、シワがつかないようにていねいに畳み、「たとう紙」に包んでタンスなどで保管します。

タンスには和装用の防虫剤と乾燥材を入れておくとよいでしょう。また、半年から1年に一度は、湿度が低く晴れた日を選んで虫干しをすることをおすすめします。

着物専門のクリーニングを行っている弊社では、抗ウイルスや消臭、防臭、抗カビ効果のある溶剤で着物を守るデオファクター加工に対応しています。定期的な虫干しも不要で管理が楽になるので、日頃のケアが不安な場合はお気軽にご相談ください。

帯や小物の必要なお手入れ、保管方法

振袖の帯や小物のお手入れ方法も確認しておきましょう。長襦袢と帯は、振袖と同じタイミングでクリーニングに出してしまうのがおすすめです。

それ以外の小物は、ひどい汚れやシワが気になる場合を除いて、自宅のケアで問題ありません。アイテムごとの具体的なお手入れは、以下の方法を参考にしてみてください。

振袖の小物お手入れ・保管方法
草履汚れを落として乾かしてから保管する
足袋手洗いで汚れを落とす
和装インナー
(肌着・裾除け・スリップ)
洗濯機で洗えることが多い
和装バッグ汚れを乾いた布で拭き取る
ショール・ファーの襟巻き陰干しする

まとめ

振袖の持ち運びには、適切な方法と注意が必要です。着物バッグや風呂敷などの専用アイテムを使用し、シワや汚れに気をつけながらていねいに扱いましょう。

また、着用後の保管方法や小物のケアにも気を配ることで、大切な振袖を長く美しく保つことができます。

これらのポイントを押さえて、晴れの日に最高の状態で振袖を着用できるよう準備してください。美しい姿で思い出に残る一日を過ごせることでしょう。