振袖で車を運転しても良いの?地域ごとのルールや注意点を解説

成人式や結婚式など、おめでたいハレの日に着る振袖。お祝いのスケジュールによっては、移動のために車を運転する機会もあるでしょう。

しかし一方で、「振袖姿で運転して大丈夫なの?」と不安に思う方も多いはず。この記事では、振袖を着て車を運転する際の注意点や、着崩れしない乗車のコツについて詳しく解説します。

目次

振袖を着てる時に車の運転はできる?

出典:photoAC

結論からいえば、振袖姿での運転はおすすめできません。また、都道府県によってルールが異なります。やむを得ない事情がある場合は、着崩れや地域の条例に十分注意して運転するようにしましょう。

都道府県によってルールが異なる

道路交通法上においては振袖を含む和装での運転は特に禁止されていません(※)。

※ “道路交通法(e-Gov)” 参照

ただし、各都道府県ごとに公安委員会によって定められた規則があり、振袖着用時の車の運転は地域によってルールが異なります。振袖を含んだ和服での運転を禁止している自治体もありますので、自分の住む地域の条例を必ず確認しましょう。

例えば東京都では、「木製サンダル、げた等運転操作に支障を及ぼすおそれのあるはき物をはいて車両等(軽車両を除く。)を運転しないこと」と定められています(※)。

こういった場合は条例違反となる可能性があるため、振袖での運転は避けましょう。

※”東京都道路交通規則第2章 第8条(2)”参照

振袖で車を運転するときの注意点

出典:photoAC

やむを得ず振袖姿で運転しなければならない場合、以下の点に注意しましょう。

  • 運転しやすい靴に履き替える
  • 車内に汚れがないか確認
  • 急な雨でも濡れないようにする

運転しやすい靴に履き替える

振袖に合わせて履く草履は、運転には適していません。アクセルやブレーキを踏む際に滑ってしまったり、ペダルに引っかかったりする可能性があります。

スニーカーのような運転しやすい靴を用意しておき、乗車前に履き替えることをおすすめします。

車内に汚れがないか確認

振袖は高価な和装です。せっかくの晴れ着が車内の汚れで台無しにならないよう、乗車前に車内をチェックしましょう。

また、レンタルの場合、着物を汚してしまうとクリーニング代を請求されてしまうこともあります。特に足元の汚れには気づきにくいことがあるため、注意が必要です。

急な雨でも濡れないようにする

振袖は水濡れに弱いため、防水対策も欠かせません。天候が良い場合でも、折り畳み傘を用意しておきましょう。また、車から降りる際は周囲の天候をよく確認してから車外へ出るようにしましょう。

振袖姿でも着崩れしない乗車手順

着崩れを防ぐために、振袖姿で乗車の際は以下の手順で乗り込むのがおすすめです。

  • 荷物は先に置いて乗車する
  • 後ろ向きで乗り込む
  • 乗車中は背中を背もたれに付けない

ポイントを解説していきます。

荷物は先に置いて乗車する

荷物を持ったまま乗り込むと、無駄な動きが増えて着崩れの原因となりやすいです。先に荷物を車内に置き、両手を自由な状態にしてから乗車しましょう。

後ろ向きで乗り込む

乗車の際は、後ろ向きで乗り込むのもポイントです。乗車時に背もたれに振袖が擦れると、着崩れの原因となります。また、ドアに触れて汚れが付いてしまう可能性もあるため、注意が必要です。後ろ向きで乗り込むことで、このようなリスクを軽減できます。

乗車中は背中を背もたれに付けない

帯の形が崩れないよう、乗車中はできるだけ背中を背もたれに付けないようにしましょう。少し前かがみの姿勢で座るのがコツです。ただし自分で運転する場合、安全を第一にしてください。

運転で着崩れてしまった時の対処法

万が一、運転中に着崩れしてしまった場合、以下の方法で対処しましょう。

  • 裾が長く出てしまった場合
  • 衿元が緩んでいる場合
  • 帯が下がっている場合

それぞれのケースについて解説します。

裾が長く出てしまった場合

着崩れの中で起こりやすいのが、振袖の裾が長く出てしまうケースです。この状態で歩くと、つまずいたり踏んでしまったりする危険性があるため、気づき次第早めに直しましょう。

まず、長く出てしまった部分をそっとつまみ、つまんだ部分を上方向にゆっくりと持ち上げます。持ち上げた布を、帯の下にある腰ひもの一か所に絡めるように滑らせて、挟み込みながら長さを合わせます。

動いてみて長さが気になる場合は、同じ手順を繰り返して微調整しましょう。

衿元が緩んでいる場合

運転中は体の動きが多くなり、衿元が緩みやすくなります。振袖の裾を捲る必要があるため、お手洗いなどで直すのがおすすめです。

振袖の裾をそっとまくり、下に羽織っている長襦袢の背中側を下に引きます。このとき、強く引きすぎないよう、徐々に引くようにするのがポイントです。首の後ろの開き具合が拳一つ分くらいになるよう調整しましょう。鏡がある場所で行うと便利です。

帯が下がっている場合

帯が下がってしまったら、両手を帯の下に差し込みます。このとき、振袖の生地を一緒につかまないよう注意しましょう。次に、帯の上を持って上方向に引き上げます。

こうすることで帯全体が均等に持ち上がり、元の位置に戻るはず。最後に帯の形を整えて、左右のバランスを確認したら完了です。

まとめ

振袖姿での運転について解説しました。振袖姿での運転は法律上は問題ありませんが、着崩れのリスクや安全面を考えるとおすすめできません。

しかし、やむを得ず運転する場合は地域の条例を確認し、運転しやすい靴で臨みましょう。着崩れを防ぐ乗車方法もぜひ実践してみてください。