「卒業式袴に振袖を合わせてもいいの?」「どんなルールがあるの?」といった疑問やお悩みを抱えている方もいるかもしれません。
本記事では、卒業式に袴と振袖を合わせる際の注意点や人気のデザイン、着こなしのポイントなどを詳しく解説します。
卒業式の袴に成人式の振袖を合わせてもいい?
一般的に袴に合わせる着物に厳格なルールはないため、振袖を合わせることは問題ありません。以下に着用できる着物の種類をまとめました。
着物の種類 | 袖の長さ | 袴と 合わせる |
---|---|---|
普通の着物 | 一尺三寸袖 (約49cm) | ◯ |
小振袖 | 二尺 (約85cm) | ◯ |
中振袖 | 二尺五寸尺 (約100cm) | ◯ |
大振袖 | 三尺以上 (約104~120cm) | × |
成人式で着用する中振袖は合わせてOK
袴には小振袖を合わせることが一般的ですが、成人式で着ることが多い中振袖を合わせても問題ありません。
中振袖を選ぶと豪華で華やかな印象、小振袖を選ぶと若々しくフレッシュな印象になります。
大振袖以外なら振袖を袴に合わせて良い
大振袖は、その名の通り大きく長い袖を持つ振袖のこと。大振袖は婚礼衣装にあたるため、卒業式には使いません。卒業式では、小振袖や中振袖を合わせましょう。
卒業式に振袖だけ着るのもOK
卒業式というと袴が主流ですが、実は袴を合わせずに振袖のみを着ることも可能です。
ただし、振袖だけで卒業式を迎える場合には、振袖の柄や色合いが式典の場にふさわしい、落ち着いた色味のものを選ぶといいでしょう。
振袖ではなく普通の着物を合わせるのも可
卒業式で袴に合わせる着物として、小振袖よりもさらに袖丈の短い「一尺三寸袖」などの着物を合わせることも可能です。ただし、木綿やウール、紬、浴衣などのカジュアルな着物は避けましょう。
これらの着物は普段着としてカジュアルな装いに用いられるものであり、卒業式のような式典にはふさわしくないとされるためです。
成人式で振袖に袴を合わせてもいい?
成人式で振袖に袴を合わせることは、マナー的にNGではありません。ただ、実際に成人式で振袖を着る場合、そのまま振袖単体で着用するのが一般的です。
振袖に袴を合わせたい場合は、卒業式で着用するのがよいでしょう。
振袖と袴の違いは?袴の種類は?
振袖と袴の違いは、主にそのデザインや着用シーンにあります。振袖は一般的に女性が成人式や結婚式で着る着物で、豪華な袖の長さが特徴。
袴は洋服でいう「ズボン」のようなものであると考えるとわかりやすいかもしれません。
袴は洋服で言う「ズボン」
袴は、洋服でいう「ズボン」のような役割を果たします。もともとは男性用の衣服でしたが、徐々に女性も卒業式や成人式、結婚式などで着用するようになりました。
袴は主に3種類ある
袴は主に3種類あります。以下に特徴と名称をまとめました。
袴の種類 | 特徴 |
---|---|
行灯袴 (あんどんばかま) | 裾が広がっているのが特徴。女性が卒業式で着用する袴のもっともポピュラーな形。 |
馬乗袴 (うまのりばかま) | 中仕切りがある袴。男性向けの袴として着用される。 |
襠有袴 (まちありばかま) | 中仕切りが短く、見た目は行灯袴と似ている。 |
卒業式に袴を着るのはなぜ?
袴はかつて、学校の制服とされていた時代があり、上流階級の女性が着用する特別な服装でした。その後、制服としての着用はされなくなったものの、学ぶことの象徴として、卒業式で袴を着る伝統が受け継がれています。
人気の袴の柄・デザイン
以下に人気の袴の柄とデザインをまとめました。
- 無地
- ぼかし
- 刺繍入り
- ぼかし刺繍入り
無地
無地の袴は、シンプルかつ落ち着いた印象を与えるため、特にフォーマルな式典にぴったり。卒業式でも人気のデザインです。柄の入った振袖と合わせれば、コーディネートが地味になることもありません。
ぼかし
ぼかしの袴は、色がグラデーションになったデザイン。こちらも卒業式で人気で、無地では少し物足りないと感じる場合などにおすすめです。
刺繍入り
袴のなかには、刺繍が施されているものもあります。斜めのラインに刺繍が入っているものが多く、他のデザインよりも高級感があり、より華やかな印象に。
振袖とのバランスを考えながら、刺繍の種類やデザインを選んでコーディネートすることがポイントです。
ぼかし刺繍入り
ぼかしと刺繍の両方が施された袴もあります。袴の中でもっとも豪華な袴といえるでしょう。個性を出したい、豪華な袴姿を楽しみたい方におすすめです。
振袖と袴を合わせる際の注意点
振袖と袴を合わせる際には、いくつかの注意点があります。どんなに素敵なコーディネートを目指しても、配色のズレなどが全体の印象を大きく変えてしまうことがあります。
振袖と袴を合わせる際は、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
配色次第では違和感が出る
振袖と袴はさまざまな色味があるため、配色に気をつけることがポイント。特に振袖の柄が華やかで目立つ色味の場合、袴の色も派手だと違和感のある装いになってしまいます。
一般的に、振袖の色や柄に合わせて、袴はシンプルな色を選ぶことが多いです。例えば、振袖が赤やピンクといった華やかな色合いなら、袴は黒や紺、グレーなど落ち着いた色にするとバランスがよくなります。
振袖は地面に触れない長さにする
振袖は長い袖が魅力的ですが、袴を合わせる際には、地面に触れない長さにしましょう。一般的な小振袖や中振袖を選べば問題ない場合がほとんどですが、サイズに合ったものを着用することが大切です。
袴スタイルならではの小物が必要
以下のように、袴スタイルで使用する小物の用意も忘れないようにしましょう。
小物 | 着用のポイント |
---|---|
帯 | コーディネートの差し色にもなる。 |
長襦袢 | サイズ選びが重要。 |
半衿 | 白地を選ぶと顔が映えやすい。 |
足袋 | 草履を履く場合は忘れずに。 |
腰紐 | サイズに合わせて調整する。 |
草履またはブーツ | 草履はもちろん、ブーツを合わせてもOK |
バック | 着物用を選ぶと映えやすい。 |
振袖+袴をおしゃれに着こなすポイント
振袖+袴をおしゃれに着こなすためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
- 同系色にまとめるのが定番
- 柄を合わせて統一感を作る
- 足元はブーツか草履が定番
同系色にまとめるのが定番
振袖と袴を合わせる際、無理なくまとまりやすい方法は「同系色でコーディネートする」こと。
例えば、振袖がピンクであれば、袴も赤や赤に近い色合いを選ぶことで、全体的に落ち着きがありながら統一感のある仕上がりになります。
柄を合わせて統一感を作る
花柄の振袖には花の刺繍の入った袴を合わせるといったように、刺繍入りの袴の場合は振袖の柄とデザインを合わせることで統一感が出ます。
一方、振袖の柄が豪華である場合、袴の柄は控えめにするか、無地やシンプルな模様にするとバランスよくまとまりおすすめです。
足元はブーツか草履が定番
足元はブーツか草履が定番です。よりフォーマルな装いとしては草履が定番ですが、ブーツを合わせるスタイルも人気を集めています。
卒業式袴に合わせる着物にタブーはある?
紬(つむぎ)や木綿、ウール、浴衣といったカジュアルな素材の着物は、フォーマルな場である卒業式には不向きとされています。
日常的に着ることが多い素材であり、カジュアルな印象を与えてしまうため、避けましょう。
振袖と袴のレンタル・購入費用相場
振袖と袴のレンタル・購入費用相場を以下にまとめました。参考にしてみてください。
費用の内訳 | レンタル料金 | 購入料金 |
---|---|---|
振袖のみ | セット料金約20万円〜30万円 | 約20万円〜 |
袴のみ | 約1万円〜 | |
着付け・ヘアメイク | 約2万円〜3万円 | |
小物一式 | 約7万円〜18万円 | |
メンテナンス | 約1.5万円〜 | |
総額 | 約20万円〜30万円 | 約30万円〜約50万円 |
成人式や卒業式で着る振袖と袴のレンタルの相場は20万円〜30万円程度です。レンタルの場合、小物一式やメンテナンスの費用などがすべて含まれたセットプランになってるケースが多いです。
レンタルではなく振袖と袴を購入する場合、30万円〜50万円ほどで購入できることが多いです。ただし、選ぶ素材やデザインによって実際の価格は大きく異なるため注意が必要。
例えば、中古の振袖が数万円程度で見つかる場合もあれば、総絞りの振袖や豪華な装飾のある振袖など、デザインやブランドにこだわると100万円以上するものもあります。
まとめ
卒業式に合わせる振袖と袴について解説しました。卒業式で袴に合わせる着物は、フォーマルな場にふさわしい素材を選ぶことが重要です。
紬や木綿、ウール、浴衣といったカジュアルな素材は避け、正装に適した素材を選びましょう。