振袖の購入を検討していても「いつ着るの?」「着る機会はあるの?」と疑問に感じる方もいることでしょう。振袖というと成人式のイメージが強いかもしれませんが、それ以外にもさまざまな場面で着用できます。
本記事では、振袖の着用シーンや使わなくなった際の活用法、保管方法などを詳しく解説。振袖の着用機会が知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
振袖はいつ着る?着用シーン6つ
振袖は主に以下のようなシーンで着用されます。それぞれの場面に合わせた着こなしのポイントやマナーについて紹介します。
着用シーン | 着こなし・選び方のポイント |
---|---|
成人式 | 自分が主役のハレの日として、アレンジを加えたスタイルも自由に楽しめる |
卒業式 | 「小振袖」と「袴」を組み合わせて着用することが一般的 |
結婚式・披露宴 | 主役は新郎新婦なので、目立ちすぎないように配慮する |
パーティー・食事会 | 会場の格式や雰囲気に合わせて選ぶことがポイント |
お見合い・結納 | 当日の服装については両家で相談する |
初詣 | 初詣には特別な服装のルールがなく、振袖姿を自由に楽しめる |
成人式
振袖といえば、成人式の定番スタイル。成人式で振袖を着ることは、大人への階段を上るという意味があるとされています。
厄年に「長い袖で厄を振り払う」という習慣は、現在の成人式における振袖の着用にも通ずるものがあるでしょう。
現代ではマナーや着こなしの解釈も広がり、華やかなファーや手袋、ブーツを合わせたり、和洋折衷のデザインの振袖を選んだりと、アレンジを加えたスタイルも自由に楽しめるのがポイント。
また、結婚している女性の場合であっても、自身が主役の成人式では振袖を着用できます。
卒業式
大学や専門学校の卒業式では「小振袖」と「袴」を組み合わせて着用することが一般的。成人式と同じく、既婚者や子どもがいる場合もハレの日の衣装として着用してOKです。
ただ、小振袖は持ってない人が多いため、成人式で着用した中振袖を着る人も一定数います。
結婚式・披露宴
結婚式や披露宴のゲストとしても、振袖はおすすめです。ただし主役は新郎新婦なので、マナーに配慮しましょう。
目立ちすぎないデザインや色合いを選びつつ、上品なアクセサリーやメイクでお祝いの気持ちを表すのがポイントです。

パーティー・食事会
パーティーや食事会など、かしこまったシーンでも振袖を着用できます。ただし、会場の格式や雰囲気に合わせて選ぶことがポイントです。
もし「振袖だと浮いてしまいそう」といった場合は、訪問着など他の和装を検討してもよいでしょう。
お見合い・結納
振袖は未婚女性の第一礼装なので、お見合いや結納の場にもふさわしい和装です。特にフォーマルな雰囲気のホテルやレストランなどであれば、格式高い振袖はぴったり。
一方、パーティーや食事会と同様に、カジュアルなレストランや軽い会食の場では振袖がかえって浮いてしまうことも。当日の服装については、あらかじめ両家の間で相談しておくことも必須です。

初詣
結婚式のようなフォーマルシーンでは服装マナーが重視されますが、初詣には特別な服装のルールはありません。そのため、カジュアルからフォーマルなスタイルまで幅広い着こなしを楽しめます。もちろん振袖も着用してOKです。
成人式を控えている場合は当日の予行練習として着用したり、購入した振袖を初詣の機会に着用したりするのもいいでしょう。

振袖を着用できるのはいつまで?結婚後はどうする?
振袖は未婚女性のための第一礼装です。未婚である限り、特定の年齢までしか着られないといった厳密なルールは特にありません。
一方、既婚女性の第一礼装は「黒留袖」や「五つ紋の色留袖」とされており、振袖を着る機会はほぼなくなります。
年齢制限がないとはいえ、一般的に30代を過ぎると未婚女性でも振袖を着ることは少なくなります。
振袖は10代〜20代が着るものというイメージが強く、デザインも華美なものが多いことから、30代以降の女性が和装をする際は、未婚・既婚を問わず着られる訪問着や、色留袖などがおすすめです。
着用しなくなった振袖は「ママ振り」として受け継いだり、訪問着に仕立て直したりすることで、着なくなった後も活用できます。

使わなくなった振袖の4つの活かし方
使わなくなった振袖は、以下のような方法でリメイクしたり、活用したりできます。
振袖の活かし方 | 注意点 | 費用相場 |
---|---|---|
「ママ振り」として子どもに受け継ぐ | サイズ調整や保管状態に注意が必要。専門の仕立て屋に依頼するとよい。 | 保管・メンテナンスにかかる費用のみ(仕立て直しが必要な場合も) |
訪問着に仕立て直す | デザインによってリメイクできない場合も。 | 1万円〜 |
ドレスなど洋服に仕立て直す | 仕立て直しに時間と費用がかかる。 | 5万円〜20万円 |
小物にリメイクする | リメイク後は元に戻せなくなる。 | 1,000円〜 |
着物として受け継いでいくなら、ママ振りとして使用するか訪問着に仕立て直すのがおすすめ。洋服や小物として日常シーンで使いたいなら、ドレスや小物へリメイクする方法もあります。

振袖を長く着るための保管方法
振袖を長く着るために、以下のポイントを押さえて保管しましょう。
- クリーニングをしてから保管する
- 直射日光を避けて保管する
- 定期的に虫干しする
クリーニングをしてから保管する
振袖の状態をよく保つには、着用後のケアがとても重要です。振袖をクリーニングせずに放置すると、着用時のシミや汚れが定着してしまうため要注意。
特に汗や化粧品の汚れは時間が経過するほど落ちにくくなり、クリーニングに手間がかかる可能性があります。次回の着用時に綺麗な状態で着用できるよう、できるだけ早くクリーニングに出して、清潔な状態で保管しましょう。
直射日光を避けて保管する
振袖は直射日光に弱いため、日の光が直接当たらない場所で保管しましょう。たとう紙に包み、和ダンスや着物専用の保管袋を使用して保管するのがおすすめです。
定期的に虫干しする
大切な振袖を長く着るためには、カビ対策も欠かせません。定期的に風通しのよい場所で虫干しをして湿気を取り除き、カビや害虫の発生を防ぐようにしましょう。
レンタルか購入、どっちが良いの?
振袖をレンタルするか、購入するかで悩んでいる方もいるかもしれません。振袖をレンタルするべきか購入するべきかは、予算や使用頻度によって異なります。
以下では、それぞれのメリットデメリットや費用相場、おすすめな人の特徴について解説するので、参考にしてみてください。
レンタルのメリットデメリット
レンタルのメリットは、一度きりの使用でも手軽にトレンドのデザインを楽しめること。購入と比較して費用を抑えやすく、着付けやヘアメイク、前撮りなどがセットになったプランも多いです。
デメリットとしては、手元に残らないことや、選べるサイズ・デザインが限られる点などが挙げられます。
購入のメリットデメリット
一方、購入のメリットは何度でも着用できることや、ぴったりなサイズで着られることです。
ただしレンタルと比べて費用が高額になるほか、着付けやヘアメイクの手配も自分でする必要があります。
購入の場合でも、お店で着付けをしてもらえるケースや、提携している着付け先を紹介してもらえるケースもありますが、どこまでが料金に含まれているかは確認しましょう。
レンタル・購入の費用相場
振袖のレンタル・購入にかかるおおよその費用相場は以下の通りです。
費用の内訳 | レンタル料金 | 購入料金 |
---|---|---|
振袖 | セット料金約20万円〜30万円 | 20万円〜 |
着付け・ヘアメイク | 約2万円〜3万円 | |
小物一式 | 約7万円〜18万円 | |
メンテ費用 | 1.5万円〜 | |
前撮り費用 | 約3万円~7万円 | |
総額 | 約20万円〜30万円 | 約30万円〜50万円 |
レンタル・購入こんな人におすすめ
レンタルは、予算を抑えつつトレンドを楽しみたい人におすすめです。また、一度しか着る予定がない場合もレンタルが向いているでしょう。
レンタルがおすすめな人の特徴
- 一時的な出費を抑えたい
- 成人式以外で着用する機会がない
- 流行りのデザインを選びたい
- メンテナンスや保管が難しい
一方、購入は振袖姿を何度も楽しみたい場合や、ぴったりのサイズで着用したい人に向いています。
購入がおすすめな人の特徴
- 何度も着用する機会がある
- ぴったりのサイズで着用したい
振袖の種類
振袖は、着物の中でも袖丈が長く仕立てられており、長い袂(和服の袖の下の袋状のところ)が付いているのが特徴です。もともと未婚女性の第一礼装であるとされており、成人式や結婚式のお呼ばれなどお祝いシーンで広く着用されます。
振袖は袖の長さによって「大振袖」「中振袖」「小振袖」の3種類に分けられるのも特徴です。袖が長いほど格が高いとされ、「大振袖>中振袖>小振袖」の順で格付けされています。
振袖の種類 | 着用シーン |
---|---|
大振袖 | 振袖の中で最も袖が長く、格式の高い振袖婚礼衣装として着用される |
中振袖 | 袖丈は膝ぐらいまでの長さ成人式・結婚式などで着用される |
小振袖 | 袖丈は身長の半分程度の長さパーティーなどで気軽に着用される |
一般的に振袖というと、成人式や結婚式中などで着用する「中振袖」を指すことが多いでしょう。
振袖とほかの着物の違いは?
振袖とほかの着物の違いは以下の通りです。
振袖は袖が長いのが特徴です。袖の長さで見分けやすいですが、着物には振袖のほかにもさまざまな種類があります。
着物の種類 | 特徴 | 着用シーン |
---|---|---|
振袖 | 袖丈を長く仕立てた着物 | 成人式・結婚式など |
留袖 | 格式高い着物 | 親族の結婚式・授賞式など |
訪問着 | 年齢や婚歴に関わらず着用できる準礼装の着物 | 結婚式など |
浴衣 | 綿でできた夏用の着物 | お祭りなど |
袴 | フレアーズボンのような形 | 大学の卒業式など |
小紋 | 普段使いできる | 軽い外出着 |
まとめ
振袖の着用シーンや使わなくなった場合の活用方法を紹介しました。振袖は成人式以外にも、大学の卒業式や初詣、お見合い、結婚式など、さまざまなシーンで着用できます。
頻繁に着る機会がありそうな場合は、気に入った振袖を購入するのもおすすめです。レンタルか購入かで迷っている場合は、本記事で紹介したメリット・デメリットも踏まえて検討してみてください。