高級な振袖の見分け方は?費用相場や有名メーカー7社も紹介

高級な振袖の見分け方のコツを紹介します。費用相場や有名メーカーの高級振袖、購入できるお店の種類などもわかりやすくまとめました。これから振袖の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

高級な振袖を見分ける5つのポイント

出典:photoAC

高級振袖には、デザインや素材、仕立てのクオリティの高さなど、安い振袖には見られないような特徴があります。

高級な振袖を見分けるポイントは以下の5つです。

  • 価格が高い
  • 生地の裏側まで染料がしみている
  • 触り心地が滑らかで重みがある
  • 細部まで装飾が施されている
  • 「証紙」がついている

価格が高い

通常、振袖のレンタルや購入の相場は20万円から50万円ほどです。その中でも、50万円を超える振袖は一般的に高級品に分類されます。

場合によっては、100万円以上の値がつくものもあり、市場に出回っている価値が高いほど上質な振袖である可能性が高いです。

ただし、値段が高ければ必ずしもよいというわけでもないため、他のポイントもあわせて確認しましょう。

生地の裏側まで染料がしみている

高級な振袖は、染料が生地の裏側までしっかり染み込んでいることが特徴です。プリントされたものは生地の表面だけが染められており、裏側を見れば判別できます。

裏側までていねいに染め上げられているものは、職人による手描きや染めなどの伝統技術が施されている可能性が高く価値が高いといえるでしょう。

触り心地が滑らかで重みがある

振袖の生地に正絹が使われている場合、光沢感があり、滑らかでしっとりとした肌触りが特徴です。また、手に取るとほどよい重みを感じられるでしょう。

化学繊維で作られた振袖は軽く、手触りも人工的な感触が残ります。生地の自然な風合いは、高級振袖を見分けるときのポイントです。

細部まで装飾が施されている

刺繍や金彩、絞り染めなど、細部まで装飾が施されている振袖はより高い価値があります。

例えば、柄が自然に連続して見えるかどうかや、刺繍が立体的で上品な仕上がりになっているかを確認しましょう。プリントされた生地はものによっては粗さが目立ちやすく、手作業による技法との差がわかります。

「証紙」がついている

高級振袖の中には、京友禅や加賀友禅など、地域独自の技法で作られたものもあります。こういった高級振袖には「証紙」と呼ばれる証明書がついていることが多いです。

もちろん、証紙がないからといって価値が低い振袖だとは限りませんが、証紙があれば高級振袖である証となります。

高級な振袖の費用相場は?

一般的には、50万円以上の振袖が「高級振袖」に分類されます。振袖の価格帯は幅広いですが、通常振袖の購入やレンタルの相場は一般的に20万〜50万円ほどが目安です。

高級な振袖は上質な素材が使われていたり、細やかな装飾が施されていたりと、価格帯に見合った作りになっていることがほとんど。さらに高級な振袖となると、100万円以上するものもあります。

高級振袖の代表的なメーカー7選

以下では、高級振袖の代表的なメーカーをピックアップして紹介します。

メーカー拠点特徴
千總(ちそう)京都上品かつ伝統的なデザイン
滝泰(たきたい)新潟県十日町おぼろ染襲(かさ)ね絞りという技法を使用
青柳(あおやぎ)新潟県十日町デザインから製造までを一貫生産
久保耕(くぼこう)京都熟練職人によるこだわりの制作
藤娘きぬたや(ふじむすめきぬたや)愛知県名古屋市独自技法を用いた高級振袖
吉澤織物(よしざわおりもの)新潟県十日町歴史ある老舗メーカー
翆山(すいざん)新潟県十日町「辻ヶ花染」による高級振袖

千總(ちそう)

千總は京都を代表する着物メーカーで、上品かつ伝統的なデザインが特徴です。江戸時代から続く歴史あるブランドで、独自の色彩と柄が魅力。ハレの日によく合うオリジナルの髪飾りなど、高級振袖に見合う小物アイテムも充実しています。

滝泰(たきたい)

滝泰は、おぼろ染襲(かさ)ね絞りで知られる老舗メーカーです。フルオーダー仕立ての振袖を販売しており、独自の染色技術と職人の技が織りなす美しい振袖は、いずれも高い芸術性を誇ります。

青柳(あおやぎ)

青柳は、新潟県十日町に本拠を置く振袖メーカーです。伝統的な技術を駆使し、デザインから製造までを自社で一貫して行うことが青柳の強みです。

古典的な技法に独自の創意工夫を加え、高品質で美しい振袖の制作に挑戦しています。染めの名門として、古典柄の最高級振袖を作り続けています。

久保耕(くぼこう)

久保耕は、京都を拠点とする振袖メーカー。代々受け継がれてきた美学を守り続け、熟練の職人たちが心を込めて高級振袖を作り上げています。特に、『久美すがた』というブランドで支持を得ているのも特徴です。

藤娘きぬたや(ふじむすめきぬたや)

藤娘きぬたやは、愛知県名古屋市に拠点を置く振袖メーカーです。京絞りをベースに「きぬたや絞り」という独自技法を生み出しました。

きぬたや絞りによる絞り染めの振袖は手作業で丁寧に絞られ、一般的な振袖とは一線を画す美しさです。

吉澤織物(よしざわおりもの)

吉澤織物は、新潟県十日町にある振袖メーカー。江戸時代から織物に携わってきた老舗のお店です。技術革新や商品開発に力を入れつつ、徹底した品質管理を重視しています。

染め・織りを両者とも自社生産しており、高級振袖メーカーとして人気です。

翆山(すいざん)

翆山は、新潟県十日町の振袖メーカーで、「辻ヶ花染」という染め技法を用いた振袖を制作しているのが特徴です。

デザイン、友禅、染め、手描き、絞りなど、全ての工程を自社工房や地域内で行い、独自の技法にこだわりながら詩情豊かな振袖を手作りしています。

高級な振袖はどこで買える?

高級振袖を購入するには、信頼できるお店を選ぶことが大切です。高級な振袖を変えるお店の種類は以下のようなものがあります。

お店の種類ポイント
振袖専門店専門知識を持つスタッフに相談できる
百貨店品質が保証された振袖を購入できる
老舗呉服店その土地ならではの高級振袖を購入できる
オンラインショップできるだけ現物を見て購入した方がよいため、あまりおすすめではない

振袖専門店

振袖専門店は、豊富な品揃えと専門知識を持つスタッフが揃っているため、詳しく説明を受けられるのがメリット。

生地の違いや染めの技法、仕立ての良し悪しについて聞きながら、納得のいく一着を選べます。

また、専門店ではオーダーメイドの振袖も取り扱っていることが多く、自分の体型や好みに合わせて仕立てることが可能。成人式や結婚式など、特別な場面でお気に入りの一着を着たい方におすすめです。

百貨店

高級百貨店では信頼できるメーカーの振袖を取り扱っていることが多く、品質が保証された振袖を購入できます。

特に、呉服専門のフロアや特設の振袖フェアでは、いくつものブランドの振袖を一度に見比べられるのがメリット。

アフターサービスが充実していることが多く、購入後のメンテナンスや仕立て直しの相談もしやすいです。価格は専門店と同等かやや高めですが、信頼できるお店で購入したい場合におすすめ。

老舗呉服店

京都や新潟などの伝統ある地域には、老舗の呉服店が多くあります。老舗呉服店では、代々受け継がれてきた技術を活かした高級振袖を取り扱っており、品質の高さが魅力です。

オーダーメイドの振袖や、職人が一つ一つ手作業で仕上げたような芸術性の高い一着を求める場合におすすめです。店舗ごとに特徴が異なるので、情報収集してから訪れるとよいでしょう。

オンラインショップ

最近では、インターネット上で振袖を購入することも可能です。オンラインショップなら、全国どこからでも注文できるのがメリット。

ただし、小物類の購入には便利ですが、高級振袖をオンラインで購入することはあまりお勧めできません。

画面上の色味と実物のイメージが異なる、サイズが思うように合わない、といったトラブルが起きる可能性があります。できる限り店舗で現物を確認してから申し込むようにしましょう。

高級な振袖を選ぶメリット

高級な振袖を選ぶメリットは以下の通りです。

  • 生地が上質で見た目が映える
  • 物持ちがよく次世代に引き継げる
  • 自分にぴったりなものを選べる
  • 頻繁に着用するならレンタルよりも経済的

生地が上質で見た目が映える

細部までこだわり抜かれた高級振袖は、生地が上質で見た目が映えることがポイント。成人式や結婚式など、どんなシーンでも堂々と着こなせます。

格式ある場面でも気後れすることなく、振袖姿を楽しめるでしょう。染めや織りの高い技術により、色柄の発色が美しく、写真映えするのも魅力です。

物持ちがよく次世代に引き継げる

適切に保管すれば、長く愛用できることも大きなメリット。高級な振袖は耐久性に優れていて物持ちがよく、一生ものの着物です。

結婚後も親子や姉妹に受け継ぐことで、家族の思い出をつなぐ一着として特別な存在になるでしょう。

自分にぴったりなものを選べる

高級振袖の購入時は、好きな生地を選んでから、オーダーメイドやセミオーダーでぴったりなサイズに仕立ててもらえます。

通常の振袖よりも着心地が格段によくなり、より美しく着こなせるでしょう。柄や色合い、帯や小物との組み合わせも自由に選べるため、自分の好みに合わせた一着を作れます。

頻繁に着用するならレンタルよりも経済的

一般的な振袖やレンタルと比べると価格は高めですが、素敵な振袖を何度も着用することでコストパフォーマンスがアップ。

頻繁に着用する場合は、レンタルよりも経済的でお得になる場合もあります。

高級振袖の購入がおすすめのケース

高級振袖の購入がおすすめのケースは以下の通りです。

  • 自身の婚礼衣装として着用する
  • 姉妹で成人式で着用する
  • 振袖を着る機会が多い
  • 将来娘に譲ることを考えている

自身の婚礼衣装として着用する

格式のある場にふさわしい高級振袖を選べば、一生の思い出に残る特別な装いになります。結婚式で自分だけの一着として着用すれば、より一層特別感が増すでしょう。

姉妹で成人式で着用する

高級振袖を姉妹でシェアすれば、購入した振袖を何度も有効活用できます。成人式だけでなく、卒業式や親族の結婚式などでも着回すことが可能です。

振袖のデザインがシンプルなものであれば、小物や帯を変えることでその場ごとに印象を変えられます。

振袖を着る機会が多い

振袖は成人式だけでなく、卒業式、親族の結婚式、パーティーなど、さまざまな場面で着ることが可能。

頻繁に振袖を着用する場合は、レンタルを繰り返すよりも質のよい振袖を購入したほうが経済的です。

将来娘に譲ることを考えている

高級な振袖は、適切に保管すれば何十年も美しい状態を保てます。「娘や孫に譲りたい」と考えている場合、質のよい振袖を購入するとよいでしょう。

特に、伝統的な柄や古典的な定番柄の振袖は、時代を問わず着られて次世代に受け継ぎやすいです。

高級な振袖の選び方

高級な振袖の選び方のポイントは以下の通りです。

  • 飽きのこないデザインを選ぶ
  • 帯や小物の価格も考慮して検討する

飽きのこないデザインを選ぶ

振袖のデザインには、古典柄やモダン柄などさまざまな種類があります。トレンドを取り入れたデザインも魅力的ですが、長く着用することを考えると、古典柄や落ち着いた色合いの振袖がおすすめ。

例えば、牡丹や桜、松竹梅などの和柄は時代を問わず格式のある装いとして着用できます。また、落ち着いた色合いの振袖なら帯や小物を変えることで雰囲気を変えやすく、幅広いシーンで活用できます。

帯や小物の価格も考慮して検討する

振袖を購入する際は、帯や小物にかかる料金も踏まえて検討しましょう。きちんと着こなすには、振袖と小物のランクを揃える必要があります。

そのため、高級振袖に帯や小物を揃える場合、追加で数万円から数十万円の費用がかかることも。

帯には格式の高い「袋帯」が一般的に使用されますが、金糸や刺繍が施された高級なものは、振袖の価格と同じくらいの費用がかかる場合もあります。

また、草履やバッグ、帯締め、帯揚げといった小物もトータルで揃えなければなりません。振袖の価格だけでなく、必要なアイテムを含めた総額を意識して選びましょう。

高級な振袖の見分け方に関するよくある質問

Q. 高級な振袖と安い振袖の違いは何ですか?

高級振袖と安価な振袖では、使用されている素材や染色の技法に違いがあります。高級振袖は、職人が時間をかけて伝統的な手法で色柄を作っており、生地の裏側までしっかりと染め上げられています。

一方で、安価な振袖はプリントが多く、生地の裏側は白くなっています。高級な振袖と安い振袖は、以下のポイントに着目することで見分けられます。

  • 価格が高さ
  • 生地の裏側まで染料がしみているか
  • 触り心地が滑らかで重みがあるか
  • 細部まで装飾が施されているか

Q. 安物の振袖の見分け方は?

安価な振袖は機械によるインクジェットプリントが多く、生地の裏側が白くなっているのが特徴。触り心地も高級な振袖とは異なり、軽くてハリが少ないものが多いです。

Q. 振袖にかかる総額はいくら?

レンタルは総額で20万円〜30万円、購入は30万円〜50万円が相場となります。振袖の価格について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

まとめ

高級な振袖の見分け方や選ぶメリット、購入がおすすめなケースなどを解説しました。高級振袖を購入する際は試着を必ず行い、帯や小物を含めた予算で検討しましょう。上質な一点ものの振袖は、長く愛用できるはず。

ぜひ本記事を参考に、お気に入りの一着を見つけてみてください。