「結婚式のお色直し衣装として振袖を選んでも大丈夫?」と迷っている花嫁の方も多いことでしょう。振袖は未婚女性の正装であり、結婚式で最後に着られる機会でもあります。
この記事では、成人式で着用した振袖と引き振袖の違いから、リメイクの方法、持ち込み料、注意点までわかりやすく解説します。
結婚式のお色直しで振袖を着るのはあり?

結婚式のお色直しに振袖を選ぶことは全く問題なく、むしろおすすめ。未婚女性の第一礼装とされる「引き振袖」であれば、格式ある花嫁衣装として正式に着用可能です。
ただし、成人式で着用する一般的な「振袖(=中振袖)」は、裾が短く、婚礼用の装いとは見た目が異なるため注意しましょう。
そのまま着用すると、地味な印象になってしまうことがあります。もしも成人式の花嫁衣装として使う場合は、引き振袖にリメイクして前撮りやお色直し、二次会などで着用しましょう。
成人式の振袖と引き振袖の違い
中振袖と引き振袖のもっとも大きな違いは、裾の長さにあります。
中振袖は、成人式で着用される振袖の一種で、袖丈が約100cmのものを指します。成人式や結婚式のゲストとして参列する際など、特別なハレの日に着用されることの多い傾向があります。
引き振袖はその名の通り、「裾を引きずるほど長い」のが特徴。結婚式にふさわしい格式の高さを感じさせます。
また、いずれも華やかなデザインが施されていますが、中振袖と比較して引き振袖にはより高級な素材が使用されることが多いことも特徴です。
【振袖の種類】
名称 | 袖の長さ | 着用シーン |
---|---|---|
大振袖 (引き振袖) | 三尺以上(約104~120cm) | 花嫁衣裳 |
中振袖 | 二尺五寸尺(約100cm) | 成人式、結婚式の参列 |
小振袖 (二尺袖) | 二尺(約85cm) | 外出時、卒業式で袴に合わせて着用 |

振袖を引き振袖にリメイクするのは可能?
振袖は引き振袖にリメイク可能です。引き振袖は振袖の裾を引いて着る花嫁スタイルで、帯結びが見えるため後ろ姿が美しいのが特徴。
もともと振袖と形が同じなので、リメイクの手間も比較的少なく済みます。打掛に比べると軽やかさがあり、お色直しや披露宴中の衣装としても人気です。
ただし、振袖の状態によってはリメイクできないこともあるため、以下のポイントをチェックしましょう。
- 身丈が十分にある(引き振袖にするには床まで届く丈が必要)
- 状態が良く、仕立て直しが可能な生地を使用している
- 裾にかけての柄が裾引きでも美しく見える配置になっている
振袖を引き振袖にリメイクする際の費用目安
振袖を引き振袖にリメイクする場合、おおよその相場として5〜10万円前後から可能です。比翼仕立てを追加する場合は、+2〜3万円程度を見ておくと良いでしょう。
また、クリーニングや補修代も含めると、トータル10〜15万円ほどになるケースが多いです。

振袖をお色直しに着用する場合の持ち込み料
結婚式でお色直しとして振袖を持ち込む場合、一般的には「持ち込み料」が発生します。持ち込み料は、おおよそ3〜5万円前後が目安。
衣装を式場で保管・管理するための手間賃や準備費などが含まれており、当日の着付け費用とは別であることがほとんどです。
また、持ち込みが可能かどうかは式場ごとにルールが異なるため、振袖を使用したい場合はできるだけ早めに式場側へ相談しておくようにしましょう。
お色直しで振袖を着用する場合のコーデ
お色直しで振袖を着用する際は、帯や小物を華やかにすることがポイント。振袖自体がもともと華やかな衣装ですが、さらに特別感のある小物でアクセントを加えるとよいでしょう。
帯に金銀の織りが入った袋帯を使用したり、帯締めや帯揚げも装飾のあるものを選んだりするとよく映えます。
お色直しで振袖を着用する場合のヘアメイク

ヘアメイクは、和の雰囲気を活かしながら花嫁らしく華やかなコーデを意識することがポイント。
髪型は、まとめ髪やシニヨンスタイルが定番です。そこに生花やつまみ細工、金箔などの髪飾りを加えることで華やかさがアップします。
後頭部にボリュームを持たせて襟足をすっきりと見せると、襟元のバランスが美しくなりおすすめです。リボンやレース素材のアクセントを加えて今っぽくアレンジを楽しむのもよいでしょう。
メイクも、振袖の色や雰囲気に合わせて華やかに仕上げましょう。肌はセミマットに仕上げて清潔感を意識しつつ、アイメイクはブラウン系や赤み系を使うと和装になじみます。
リップは落ち着いたローズやレッド系が人気です。
お色直しで振袖を着用するタイミングは?
お色直しで振袖を着用するタイミングとしては、披露宴の中盤〜後半にかけて行うのが一般的。2着目もしくは3着目での着用がおすすめです。
最初の入場はウエディングドレスや白無垢などの衣装で登場して、乾杯やケーキカットの後お色直しで振袖を着用する流れが多く見られます。
ドレスから和装へのチェンジは30〜40分程度かかるため、スケジュールに余裕を持たせておくようにしましょう。事前に式場スタッフとお色直しのタイミングや段取りをしっかりと確認しておくことをおすすめします。
お色直しで振袖を着用する場合の注意点
以下に、お色直しで振袖を着用する場合の注意点をまとめました。
- 直前の衣装と違う色にする
- 動きやすいように着付けてもらう
- 長い袖が汚れないように注意
- 御引上げについて事前に確認する
- お色直しの時間が長くなりすぎないようにする
直前の衣装と違う色にする
お色直しでは、衣装チェンジによる印象の変化が楽しみのひとつ。直前の衣装と違う色を選びましょう。白いドレスの後には鮮やかな色の引き振袖を合わせると、場の雰囲気が一気に華やぎます。
動きやすいように着付けてもらう
振袖は裾が長く袖も大きいため、動きづらさを感じることがあります。
披露宴中に新郎新婦は歩いて回るシーンも多いため、事前に着付け師に相談して動きやすいように着付けてもらいましょう。帯の結び方や締め付け具合を調整することで動きやすくなります。
長い袖が汚れないように注意
食事や移動の際に、長い振袖の袖が床やテーブルに触れてしまうことがあります。特に屋外での演出やゲストと距離の近い挨拶時などは、汚れがつかないように意識することが欠かせません。
袖をさばきやすいように工夫したり、式場のスタッフにサポートをお願いしましょう。
御引上げについて事前に確認する
披露宴のお開き後、持参した振袖は持ち帰る必要があります。その際、誰がどのタイミングで着物を脱がせて畳むのか、式場スタッフや着付け担当と事前に確認しておくとスムーズです。
お色直しの時間が長くなりすぎないようにする
お色直しにかかる時間が長くなると、会場の雰囲気が中だるみしやすくなります。特にドレスから振袖へのチェンジは所要時間が長く、30〜40分程度かかることも。
タイムスケジュールには余裕を持たせつつ、必要に応じてレクリエーションなども用意するのがおすすめです。
花嫁が結婚式で着られる和装の種類
引き振袖以外にも、結婚式で着られる和装には「色打掛」や「白無垢」といった選択肢があります。
【花嫁が結婚式で着られる和装の種類】
名称 | 特徴 |
---|---|
色打掛 | 鮮やかな色彩と豪華な刺繍・錦織が特徴 |
白無垢 | 白で統一された最も格式の高い婚礼衣装 |
大振袖 (引き振袖) | 振袖の中でも最も格式が高い 袖が長く、裾も長い |
中振袖 | 成人式などで着用する振袖 お色直しや二次会などで着用できる |
色打掛(いろうちかけ)
色打掛は、鮮やかな色彩と豪華な刺繍が特徴の婚礼衣装。昔は白無垢よりも格下とされていましたが、近年では白無垢と同格の礼装であるとされ、ハレの日を華やかに彩ってくれます。
特に赤を基調とした色打掛は、王道スタイルとして結婚式で非常に人気があります。
白無垢(しろむく)
白無垢は、全ての装飾や小物が白で統一された最も格式の高い婚礼衣装。清楚な美しさが花嫁の純潔さ・誠実さを象徴し、伝統的な和婚におすすめの装いです。
結婚式で和装をレンタルする際の費用相場
持ち込みではなく、和装をレンタルすることも可能です。結婚式で和装をレンタルする際の費用相場を以下にまとめました。レンタルを検討している場合は参考にしてみてください。
和装の種類 | レンタルの費用相場 |
---|---|
色打掛 | 約30万円〜 |
白無垢 | 約20万円〜 |
大振袖 (引き振袖) | 約20万円〜 |
まとめ
お色直しで振袖を着用する際のポイントを解説しました。持ち込みやお色直しのタイミング、着付け方法などの準備をしっかり行えば、振袖でも快適に披露宴を過ごせるでしょう。
振袖の華やかさを最大限に活かして、結婚式ならではの特別な時間を楽しんでみてください。