成人式や結婚式の参列など、ハレの日にぴったりな振袖。レンタルや購入した振袖を持ち込んで着付けをお願いする場合、依頼先にお悩みの方も多いでしょう。
本記事では振袖の着付けを依頼できる場所や費用相場、探し方、注意点などを持ち込み先別に紹介します。着付け料金を抑えるコツや当日の準備についてもまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
持ち込みでの振袖の着付けはどこに依頼する?
振袖の着付けの依頼先としては、美容院、ホテル、出張着付け、合同着付け会場、購入またはレンタルしたお店の5つがあります。それぞれの特徴や費用相場、注意点を以下にまとめました。
依頼先 | 費用相場 | 注意点 |
---|---|---|
美容院 | 約1万円〜3万円 | エリアや地域によって料金が大きく異なる。 |
ホテル | 約2万円〜4万円 | 美容院よりもやや高め。早朝プランには対応していない場合がある。 |
出張着付け | 約5,000円〜2万円 | リーズナブルだが、ヘアセットやメイクは別料金・対応不可の場合も多い。 |
合同着付け会場 | 約8,000円〜1万円 | セットプランに含まれている場合もあるが、自宅から遠いこともある。 |
購入またはレンタルしたお店 | 無料 ※店舗により異なる | 購入金額に着付け費用が上乗せされているケースが多い |
振袖をレンタルする場合は、提携先の着付け会場での着付けを受け付けていることもあります。事前に確認しておくとよいでしょう。
美容院
美容院での着付けは約1万円〜3万円がおおよその目安。ただし、エリアや地域によって料金は異なります。ヘアセットやメイクも一緒に依頼できるので、トータルでコーディネートしたい方に向いているでしょう。
会場から近い美容院は埋まりやすいため、早めの確保がおすすめです。
ホテル
ホテルでの着付けは約2万円〜4万円と、美容院よりも少し高めの料金設定になっています。結婚式やパーティなどのイベントを多く取り扱っているホテルであれば、着付けの経験も豊富です。
ただし、成人式のような早朝からのプランは見つけにくい可能性があるため注意が必要です。
出張着付け
出張着付けは約5,000円〜2万円程度と、美容院やホテルと比べるとやや安めの料金設定になっています。指定場所へ来てもらえるため、当日も慌ただしくならず便利です。
ヘアセットやメイクは取り扱っていないケースもあるので、事前に確認しておきましょう。
合同着付け会場
合同の会場で着付けしてもらう場合は、約8,000円〜1万円程度が目安料金です。
振袖をレンタルする場合、セットプランとして着付けが含まれていたり、オプションでも安く頼めたりする場合があります。美容院やホテルと比べるとリーズナブルですが、自宅から遠い場所の可能性もあるので、会場の確認を忘れずに。
購入またはレンタルしたお店
購入またはレンタルしたお店で着付けをする場合、無料で行える店舗が一般的です。
お得なように感じられますが、振袖自体の料金に着付け料が加算されている場合があり、お得とはいえないでしょう。着付けは有料になる店舗もあるため、事前の確認が必要です。
振袖着付けの持ち込み先の探し方
無駄な移動を避けるために、着付けの持ち込み先は会場もしくは家の近くで探すのがおすすめ。主な探し方としては、以下の通りです。
- 成人式会場/会場近くで探す
- 家の近くで探す
成人式会場近くで探す
会場の近くにある美容院・ホテルを優先的に探してみましょう。会場に近いほど、移動時間や交通費を抑えられます。
家の近くで探す
準備を整えてから出かけたい場合、自宅近くの美容院を当たってみるのもおすすめ。特に普段通っている美容院なら、ヘアスタイルやメイクの好みも分かっているので気兼ねなく依頼できるでしょう。
【プラン別】持ち込みでの振袖着付けの値段
会場だけでなく、着付けを依頼する際のプランによっても料金は異なります。成人式のプランとしては、主に以下の3つです。
プラン | 費用相場 |
---|---|
着付けのみ | 約8,000円〜1万円 |
着付け+ヘアセット | 約1万円〜3万円 |
着付け+ヘアセット・メイク | 約2万円〜3万円 |
ヘアセット・メイクのみ ※メイクは含まれない場合もある | 約5,000円〜1万円 |
着付けのみ
最低限の費用に抑えたいなら、着付けのみのプランがもっともリーズナブル。一般的に着付けのみの料金は8,000円〜1万円程度です。
着付け+ヘアセット
着付にヘアセットも含まれるプランだと、両者を単体で依頼するよりも割引価格となっていることが多いです。目安料金はおおよそ1万円〜3万円程度。
特に美容室はセットプランが多く、当日は時間も限られるため、ヘアセットもお願いする場合はセットプランで依頼しましょう。
着付け+ヘアセット・メイク
上記の着付け+ヘアセットに加えてメイクも含まれるプランの場合、目安料金は約2万円〜3万円。
成人式は早朝から準備する必要があり、自宅でメイクに十分な時間を充てられない可能性もあるので、ヘアセットとメイクをあわせて依頼するケースも多いです。
ヘアセット・メイクのみ
自分で着付けができたり、親族に着付けができる人がいたりする場合には、ヘアセット・メイクのみをお願いすることもあります。
相場は5,000円〜1万円程度がおおよその目安です。メイクなしの場合、もう少し安くなる場合もあります。
持ち込みでの振袖着付けにかかる追加料金
ヘアセットやメイク以外にも、早朝料金や前撮り撮影分の追加料金がかかることがあります。以下では、料金の内訳を解説します。
早朝料金
時間帯 | 料金相場 |
---|---|
〜5:00 | 約1万円 |
5:00〜6:00 | 約6,000円 |
6:00〜7:00 | 約3,000円 |
早朝料金は、通常の営業時間外に着付けをしてもらう際の追加料金です。成人式では、式に間に合わせるために早朝の5時〜6時頃から着付けを受け付けているところもあります。
枠が埋まっていて早朝での予約になった場合、数千円程度の割増料金がかかることがあります。ただし、セット料金に含まれる場合もあるため、事前にチェックしておきましょう。
前撮り撮影の着付け料金
成人式と別日に前撮りを撮影する場合、前撮りの着付けも手配が必要です。フォトスタジオで着付けをしてもらう場合、5千円〜1万円程度がおおよその料金目安。スタジオによっては、着付けと撮影がセットになったプランを提供しているところもあります。
振袖の着付け料金を安く抑えるコツ
振袖の着付け料金を安く抑えるコツは以下の通りです。
- 着付けがセットになったプランを活用する
- メイクやヘアセットは自分で行う
- 割引・キャンペーンを活用する
- 自宅から近い場所で予約する
- 家族や知人に着付けをお願いする
着付けがセットになったプランを活用する
レンタルでは、着付けやヘアセットがセットになっているプランがたくさんあります。安くスムーズに着付けを手配したい場合、セットプランの活用がおすすめです。
また、前撮りもセットになったプランを活用すれば、前撮り撮影用にオプション費用を支払う必要もありません。
メイクやヘアセットは自分で行う
メイクやヘアセットは、着付けよりはセルフで挑戦しやすい内容です。例えば「メイクは自分好みがよいのでセルフでする」「ヘアセットは母親にお願いして、着付けだけ依頼する」というように、依頼するサービスを絞ることで費用を抑えやすくなります。
ただし当日は慌ただしくなる可能性があるため、事前に何度か練習しておくのがおすすめです。
割引・キャンペーンを活用する
店舗やサイトで実施している割引やキャンペーンを活用することで、費用をさらに抑えることが可能です。早めに情報を収集し、適切なタイミングで予約することが重要です。
自宅から近い場所で予約する
交通費も何かと出費になります。自宅から近い場所であれば交通費や出張料を抑えられるため、できるだけ近場の着付け会場のなかから探すのがおすすめです。
家族や知人に着付けをお願いする
家族や知人のなかに着付けができる方がいる場合、お願いできるか相談してみるのも1つの方法。
ただし経験が浅い場合は着崩れしてしまったり、当日慌ただしくなってしまったりする可能性もあります。不安な場合は、当日までに練習しておきましょう。
着付け先に振袖を持ち込む際の注意点
着付け先に振袖を持ち込む際の注意点は以下の通りです。
- 持ち込みのスケジュールを確認する
- 振袖セットの送付が可能か確認する
- 荷ほどきを済ませておく
- 必要なアイテムが揃っているかチェック
- 持ち込み料金が含まれているかチェック
持ち込みのスケジュールを確認する
振袖セットを持ち込むスケジュールは着付け先によって異なります。事前に持ち込みが可能な場所もあれば、当日朝の持ち込みしか受け付けていない場所もあります。
また、持ち込み可能な時間帯も把握しておくとよいでしょう。余裕を持って計画を立てておけば、当日のストレスも少なくなります。
振袖セットの送付が可能か確認する
遠方からの参加や大きな荷物を持ち運ぶのが難しい場合などは、振袖セットの送付を受け付けている着付け先を選ぶのがおすすめ。持ち込み先によっては保管スペースの関係で受け付けていない場合もあるので、注意が必要です。
送付可能な場合は、到着日や送付先住所、伝票の書き方なども詳しく聞いておきましょう。万が一の紛失や遅延に備えて、追跡番号は必ずメモしておくことをおすすめします。
荷ほどきを済ませておく
ネットレンタルなどで振袖セットが送られてくる場合、すぐに荷ほどきをしましょう。中身をチェックし、必要なものが全て揃っているか確認します。
シワが気になる場合は、ハンガーにかけて自然にシワを伸ばすのもよいでしょう。小物類は使う順に整理しておくと、当日スムーズに準備できます。
必要なアイテムが揃っているかチェック
振袖セットに含まれていないものは、自分で用意する必要があります。例えば、ショーツや補正用のタオル、髪飾りなどです。
着付けに必要なアイテムリストを作成して、抜け漏れのないように一つずつチェックしていきましょう。アイテムリストは以下の通りです。
ジャンル | 必要なアイテム |
---|---|
着物類 | ・振袖 ・帯 ・帯締め ・帯揚げ ・伊達衿(だてえり) |
肌着類 | ・肌襦袢(はだじゅばん) ・長襦袢(ながじゅばん) ・半衿(はんえり) ・衿芯(えりしん) ・補正パッド ・裾よけ ・足袋 ・タオル |
小物類 | ・伊達締め(だてじめ) ・三重仮ひも ・腰ひも ・前版/後板 ・帯枕 |
持ち込み料金が含まれているかチェック
着付けのみを依頼する場合、持ち込み料金が別途かかることがあります。持ち込み料金が含まれているか確認しておきましょう。また、支払い方法(現金のみ、カード可など)も確認しておくとスムーズ。
予想外の出費を避けるためにも、細かいオプション料金までチェックすることがポイントです。
振袖の着付けにかかる時間
振袖の着付けにかかる時間として、2〜3時間程度は見ておきましょう。当日は思わぬトラブルが発生したり、想定よりも時間が押したりする可能性があります。
着付けに1時間、ヘアメイクに1時間かかることを想定した上で、残りの1時間はバッファとして確保しておくといいでしょう。
振袖を着付ける際に必要なアイテム
振袖を着付ける際に必要なアイテムは、こちらで紹介した通り、さまざまなものが必要です。これらは着物専門店やインターネットで購入、レンタルできます。不足のないようしっかり準備しておきましょう。
あると便利なアイテム
振袖を着付ける際は、以下のアイテムも準備しておくと便利です。
アイテム | 用途 |
---|---|
コーリンベルト | 着物や襦袢がずれないようウエスト部分を固定するためのアイテム |
マジックベルト | 快適に振袖を着たり着崩れを防いだりするアイテム |
コーリンベルトは着物や襦袢がずれないようにウエスト部分を固定するもの。マジックベルトは、マジックテープで簡単に締められるもので、着崩れを防ぐ便利なアイテムとしておすすめです。
また、着崩れを防ぐこともできますが、一番のメリットは振袖を着ている時に楽なところです。いずれのベルトも伸縮性があり、普通の紐と違って締め付けを感じないため、着心地が良くなります。
なお、振袖をレンタルする場合は、これらのアイテムがセットに含まれている場合もあるので、レンタルプランの内容を確認しておきましょう。
振袖を着付ける際の事前準備や注意点
振袖を着付ける際の事前準備や注意点も押さえておきましょう。それぞれ解説します。
着付けにあたっての事前準備
事前準備では、当日の着付けがスムーズにするために以下のポイントを参考にしてみてください。
- 着物や帯をハンガーに掛ける
- 半衿を長襦袢に縫い付ける
- 足袋と帯揚げにアイロンをかける
- 小物を準備しておく
まず、しまっていた着物や帯をハンガーに掛けておきます。新品・クリーニング直後の場合は、畳んだ状態のまま、シワがついてないか確認する程度でOKです。
レンタルの場合はすでに長襦袢に半衿が縫い付けてあることが多いですが、自分で用意する場合は事前に縫い付けておくようにしましょう。
ほかにも、足袋と帯揚げにアイロンをかけてシワを伸ばしたり、小物を使う順番に並べておいたりすると、着付け時に時間と心の余裕が生まれます。
着付け当日の注意点
着付け当日には、以下のポイントに気をつけるようにしてみてください。
- 着付けの前に何か食べておく
- トイレは事前に済ませておく
- ヘアメイクは振袖を着る前に終わらせておく
着付け後にご飯を食べると、帯が締め付けて苦しくなるため、先に軽めの食事を済ませておくのがおすすめ。また、振袖を着た後にトイレに行くのは大変なので、できる限り事前に済ませておきましょう。
着付け後にヘアメイクをすると、振袖がよれたり汚れたりする可能性があります。ヘアメイクは済ませた状態で着付けをしてもらいましょう。前開きのトップスなど脱ぎ着しやすい服装にしておくと、よりスムーズに着替えができておすすめです。
着付け当日に着用する下着
振袖の下に着用する下着は「肌着」「ブラジャー」「ショーツ」の3つです。それぞれ、選び方のポイントは以下になります。
下着の種類 | 選び方のポイント |
---|---|
肌着 | ・以下の和装専用の肌着を着用する 1. 肌襦袢(はだじゅばん) 2. 裾よけ(すそよけ) 3. 長襦袢(ながじゅばん) |
ブラジャー | ・胸を盛りすぎない ・ベージュなど透けにくい色を選ぶ ・ワイヤーの入ってないものを選ぶ |
ショーツ | ・ローライズタイプを選ぶ ・ベージュなど透けにくい色を選ぶ ・飾りの少ないものを選ぶ |
肌着は、和装専用の肌着である「肌襦袢(はだじゅばん)」「裾よけ(すそよけ)」「長襦袢(ながじゅばん)」を使用しましょう。肌襦袢と裾よけは上下に分かれており、セットで着用するのが基本。そして、その上から長襦袢を着用します。
ブラジャーは、外して着用することも付けたまま着用することも可能です。振袖は、メリハリの少ない「ずん胴」の体型がよく似合うとされているので、胸を盛りすぎてしまうようなブラジャーは避けましょう。
ショーツは、はき込み丈の浅いローライズタイプのショーツやビキニショーツが扱いやすくおすすめです。ウエストを覆わないため、振袖の腰ひも部分と重ならずに着崩れしにくく、また振袖を着用してトイレに行く際に脱ぎやすいメリットがあります。
なお、振袖をレンタルする場合は、肌着(肌襦袢・裾よけ、長襦袢)はレンタルセットに含まれており、ブラジャーやショーツは自前のものを使います。
レンタルに含まれるもの | 肌着類(肌襦袢、裾よけ、長襦袢) |
レンタルに含まれないもの | 下着類(ブラジャー、ショーツ) |
成人式当日にあると便利なアイテム
成人式当日は写真を撮る機会がたくさんあります。メイク直しや着崩れを直す際に、あると便利なアイテムをチェックしておきましょう。
トイレの際に持っておくと便利なアイテムは以下の通りです。
アイテム | 用途 |
---|---|
大きめのクリップや洗濯バサミ(2〜3個) | トイレなどで役に立つ |
大きめのハンカチ(50cm以上) | 下を向いたときに化粧で汚れるのを防ぐ |
髪留め・ヘアピン | 髪が邪魔なときに役立つ・化粧直しのときにも便利 |
油取り紙・ミニミラー | 化粧直しに役立つ |
まとめ
振袖の着付けを持ち込みで依頼する場合、美容院やホテル、出張着付け、合同着付け会場など、さまざまな選択肢があります。
費用や場所、サービス内容をよく比較して、自分に合った方法を選んでみてください。また、本記事で紹介した事前準備や当日の注意点を押さえておけば、より快適かつ見栄え良く振袖を着こなせます。
特別な日を素敵な着物姿で過ごせるよう、しっかり準備して臨みましょう。