振袖の帯結びの種類は?定番・人気の結び方やコーデのコツを紹介

振袖は帯結びのデザインや種類によって、印象は大きく変わります。本記事では、振袖の帯結びについての基本知識から、種類ごとの結び方、選び方、人気のデザインなどを詳しく解説します。

自分らしい帯結びを見つけたい方、振袖の装いをより魅力的に見せたい方のために参考になる情報をお届けします。

目次

振袖には華やかな帯結びをあわせよう

出典:PIXTA

成人式で振袖を着る際は、帯を華やかな形にアレンジする「変わり結び」にするのが基本です。

振袖に変わり結びをあわせることで、後ろ姿にも華やかさが加わりハレの日の装いが一層際立ちます。

とくに自身が主役となる成人式では、振袖の豪華なデザインに負けないよう、ボリューム感のある立体的な結び方やリボン、花、羽の形を取り入れたアレンジが人気です。

なお、結婚式に振袖を着用して参列する場合は、主役はあくまで新郎新婦となるため、シンプルで落ち着いた帯結びにするのがマナーです。

成人式の振袖にNGな帯結び

成人式は人生の節目を祝う正式な儀式のため、普段着で結ぶような形の一重太鼓結びと銀座結び、角だし結びはカジュアルすぎるためNG。

また、結婚式の参列側で振袖を着る際や、留袖や訪問着を着用する際は、シンプルな二重太鼓結びが一般的ですが、フォーマルかつシンプルな帯結びのため、華やかさを演出する成人式には不向きです。

一方でお太鼓系の中でも、華やかにアレンジした変わり結びであれば、成人式にもおすすめです。

振袖の基本的な帯結び

振袖の基本的な帯結びは以下になります。

帯結びの名前特徴
文庫結び可愛らしい雰囲気
お太鼓結びシンプルで上品
立て矢結びユニークなデザイン
ふくら雀結びボリュームがあり豪華
花結び華やかなデザイン
花流水矢結び豪華で写真映えするデザイン

振袖を着用するシーンによって適した帯結びは異なります。この中でも文庫結びとお太鼓結びは、シンプルかつ上品な帯結びのため結婚式などフォーマルな場に適しています。

成人式では、文庫結びやお太鼓結びを華やかにアレンジした「変わり結び」をあわせるのが一般的です。

文庫結び|定番人気の結び方

文庫結びは帯をリボンのように結ぶことで、可愛らしい雰囲気に仕上がります。ふんわりとしたボリューム感が出て、柔らかい印象になります。

お太鼓結び|かっこいい印象に仕上がる結び方

お太鼓結びは、帯の結び目が太鼓のように平らで四角い形になることが特徴です。シンプルで上品な印象に仕上がり、主役ではなくゲストとして参加する式などでの着用もおすすめです。

立て矢結び|可愛い印象に仕上がる結び方

立て矢結びは、矢が上に向かって立っているような形が特徴の結び方。存在感があり、シンプルな振袖によく合います。

ふくら雀結び|柔らかい印象に仕上がる結び方

ふくら雀は、帯の結び目がスズメが羽を広げたような形になることから名前がつきました。大きなリボンや羽根のような形が特徴で、ボリュームがあるため豪華な印象に仕上がります。

花結び|華やかでハレの日にぴったりな結び方

花結びは帯を花びらの形に見立てた結び方で、女性らしさや可愛らしさを演出できます。繊細で華やかなので、後ろ姿を美しく魅力的に見せられるのが魅力です。

花流水矢結び|写真映えする豪華な結び方

花流水結びは立て矢結びの一種で、下羽根をZ型に垂らし豪華さと女性らしさを引き立てるアレンジが特徴。成人式や結婚式などの晴れ舞台にぴったりな写真映えするデザインです。

最新人気の振袖の帯結び

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帯の結び方には時代によってトレンドがあり、振袖姿全体の雰囲気が変わります。ここからは最新人気の帯結びを紹介します。

羽根数が多い華やかな帯結び

羽根数が多い帯結びは、帯の「羽根」を複数層に重ねて作ります。立体感とボリュームを持たせられるので、華やかな印象に仕上がるのが特徴。

羽根の数や広がり方を工夫することで、花や蝶、扇のようなデザインにアレンジすることもできます。

リボン風の帯結び

リボン風の帯結びは全体に柔らかな印象が加わり、若々しく女性らしい印象を与えるデザインです。リボンの大きさや結びの位置、左右対称や斜めのアレンジなどができ、振袖や帯の色・柄に合わせてさまざまなコーディネートを楽しめます。

帯結びのコーディネートのコツ

振袖の帯結びをより引き立てるためには、コーディネートのコツを押さえることが大切です。帯結びを華やかに見せるためのポイントと、それぞれの特徴を紹介します。

立体的な帯結びで華やかな印象に

帯を何層にも折り重ねたり、ボリュームのある形状にアレンジしたりすることで、後ろ姿に華やかさが加わります。

最近ではリボンや花をモチーフにした立体的なデザインが人気で、振袖全体がより豪華に見えるため、シンプルな振袖にもおすすめです。

帯の位置は高めでスタイル良く見せる

帯の位置を少し高い位置で帯を結ぶと脚長効果があり、全体がすらりとした印象に見えます。小柄の方やスタイルアップを狙いたい方におすすめです。

ヘアメイクや小物とのバランスを見る

帯結びが華やかな分、ヘアメイクや小物で全体のバランスをとることが大切です。帯結びがボリュームのあるデザインならヘアスタイルも立体感のあるものにしたり、帯がシンプルなら髪飾りや小物でアクセントを加えたりすると、まとまりのある雰囲気に仕上がります。

帯揚げや帯締めをアクセントに

帯揚げや帯締めを鮮やかな色やデコレーション付きのものにすることで、帯結びに華やかさや個性をプラスできます。

色のコントラストをつけたり、帯結びの形に合わせてアレンジしたりすることで、上品でおしゃれな印象を作り出せます。

帯結びの着付けを依頼する際のコツ

イメージ通りの帯結びを着用するためには、着付け師の方に正しく依頼することが大切です。ここからは依頼のコツや確認しておくべき注意点を紹介します。

迷ったら着付け師におまかせ

着付け師の方は、振袖と帯結びに関する豊富な経験と知識を持っているため、迷った場合はおまかせしましょう。体型や振袖のデザインに合った帯結びを提案してくれるため、自分に似合うスタイルに仕上げてもらえます。

SNSやカタログの画像を見せる

具体的なイメージがある場合、SNSやカタログで見つけた帯結びの画像を見せることで、希望のスタイルをよりわかりやすく伝えられます。

言葉だけでは伝わりにくい細かなデザインや、アレンジのニュアンスも理解してもらいやすくなります。画像が複数あると、結び方や角度の参考になるためおすすめです。

ママ振袖の帯ではできない帯結びもあるので注意

「ママ振袖」(母親が使用した振袖や帯)を着用する場合、帯の長さや幅が現在のものとは異なる場合があり、ボリューム感のある帯結びが難しい場合があります。

例えば「華やかなリボン結び」や「ふくら雀」など、ボリュームが必要な帯結びには長い帯が必要なため、場合によってはママ振袖の帯ではできない可能性もあります。

ママ振袖の帯で特定の帯結びを希望する場合は、事前に着付け師に帯の種類や状態を確認してもらうと安心。必要に応じて、レンタル帯を検討するのも1つの方法です。

振袖の帯周りのアイテム

振袖の帯周りのアイテムは以下になります。

アイテム用途
帯揚げ帯枕を固定する役割+コーデのアクセントとして活用し帯を綺麗に見せる。
帯締め本来は帯の着崩れを防ぐためのもの。現代ではアレンジ用に装飾メインで用いられることも多い。
帯留め帯の真ん中に通す紐。振袖のカラーとバランスを見て差し色にできる。
帯飾り帯周りに加える装飾用アイテムの総称。
志古貴
(しごき)
帯の下に巻いて垂らす飾り。

帯揚げ

帯揚げは、帯枕とセットで使うもの。帯枕を包み、外から見えなくなるようにするために使います。着物と帯の間から少し除くので、デザインによってコーディネートの雰囲気を変えられます。

帯締め

帯締めは本来帯の着崩れを防ぐためのものですが、現代ではコーディネートのアレンジに使用されることも多いです。レースのものや装飾のついたものを合わせることで、豪華な雰囲気に仕上がります。

帯留め

帯留めとは、帯の真ん中に通す紐のこと。帯留めと同様にコーディネートのアクセントとしても使われることが多く、振袖に合うカラーを選ぶのがポイントです。

帯飾り

帯飾りは、帯周りに加える装飾用アイテムの総称。帯の反対色を使うなど、アクセントとして用いることが一般的です。

志古貴(しごき)

志古貴(しごき)は、帯の下に巻いて垂らす飾りのこと。全身の雰囲気を変えられるので、前撮りのアレンジなどにおすすめです。

帯揚げの合わせ方

帯結びを固定する目的と合わせて、装飾品としても使われる帯揚げ。着物に入っている柄の色と合わせるのがポイントで、それぞれの特徴は以下の通りです。

種類特徴
本結びシンプルで上品、着崩れしにくい基本の結び方
かもめ結び立体的でボリューム感があり、華やかなデザイン
リボン結び若々しく可愛らしい印象、シンプルながら華やか
花結び立体的で華やかな花の形、成人式などの特別な場にぴったり
志古貴帯の下に垂らして華やかさと動きを加える装飾布

本結び|人気の定番スタイル

本結びは帯揚げを帯の上でしっかりと結ぶシンプルな結び方で、基本的な帯揚げの結び方の1つです。華やかさというよりもフォーマルな印象を出しやすく、品のある結び方を好む場合や、振袖の柄を引き立てたい場合に向いています。

かもめ結び|簡単でシンプル

かもめ結びは「かもめ」の翼が広がっているような形に結ぶ方法で、ふんわりとしたボリューム感と立体的な見た目が魅力です。

帯揚げを結んでから左右にふわっと広げることで、華やかさを演出でき成人式や華やかなイベントに映えます。

リボン結び|可愛らしい振袖と相性良好

リボン結びは帯揚げの両端を使って、リボンのように可愛らしく結ぶ方法。リボン結びを取り入れることで振袖や帯結びが豪華でも、若々しく可愛らしい印象がプラスされます。

花結び|豪華に見せるアレンジ

花結びは帯揚げを花のようにふんわりと形作り、立体的に仕上げる華やかな結び方です。花びらのように広がり、後ろ姿にもボリュームを持たせたいときにおすすめ。

帯締めの合わせ方

帯締めは、振袖コーディネートのアクセントとなる重要なアイテムです。振袖や帯の色とのバランスを考慮し、華やかさを引き立てる色を選びましょう。

例えば、振袖の柄や帯と同系色にすると統一感が生まれ、差し色として反対色を選ぶとメリハリが出て印象が引き締まります。

また、帯締めに装飾や帯留めを取り入れると、アクセントが加わり、太さや結び方を工夫することで、振袖姿がより一層華やかに仕上がります。

まとめ

振袖の帯結びにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴と印象を持っています。結び方によって華やかさや可愛らしさ、上品さなど印象が異なるため、着用シーンや振袖のデザインに合わせて帯結びを選ぶことが大切です。

自分の好みに合わせた帯結びを使って、振袖姿をさらに美しく引き立てましょう。