振袖の正しい座り方は?着用時のマナーをわかりやすく解説

振袖の正しい座り方についてわかりやすく解説!振袖着用時の作法は、洋服姿のときとは少し異なります。

本記事では振袖の座り方に加えて、振袖着用時のマナーや動作全般、着崩れの対処法についてまとめました。

成人式や結婚式、お祝い事などで振袖を着る予定のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

振袖の座り方は洋服とは違うことを意識

振袖は袖が長く、帯も後ろにしっかりと結ばれているため、洋服を着ているときのように振る舞ってしまうと袖が床について汚れたり、帯が崩れてしまったりすることがあります。

振袖を着て座るときは、普段の座り方と少し異なる動作を意識することが大切。後述するポイントを意識して、品のよい振る舞いを心がけましょう。

振袖着用時の正しい座り方

シチュエーションによって、適切な座り方は異なります。ここでは、振袖を着た状態での座り方についてシチュエーション別に解説するので、参考にしてみてください。

  • 椅子に座る場合
  • 正座で座る場合
  • 車に乗る場合
  • トイレに入る場合

椅子に座る場合

振袖で椅子に座る際は袖を前に回して、後ろのおはしょりの下部分を軽くつまみながら座りましょう。そうすることで袖が床について汚れたり、踏んでしまったりすることを防げます。

背もたれ等で帯が潰れないように浅めに腰掛けるようにして、着崩れしないようにするのもポイントです。

また、電車や外のベンチなど、汚れやすい椅子に座る場合はできれば立っておくことをおすすめします。

どうしても座らなければならない場合は座る前に周囲を確認して、汚れていないかチェックしましょう。

正座で座る場合

正座をする際は、右手で膝下の生地を押さえるようにして座ります。振袖の裾が広がるとだらしのない印象を与えてしまうため、両足を揃えて座るのがポイントです。

正座は振袖にとって比較的無理のない座り方ですが、長時間続けると足がしびれてしまうこともあるので、適宜休憩を取るようにしましょう。

車に乗る場合

車に乗る際は、まずお尻からゆっくりと腰掛け、座席で体を回転させて前向きになるように座ります。このとき、振袖の裾や袖が車内で汚れないように気をつけながら動作を行いましょう。

車の座席は汚れやすいので、振袖の裾を意識して広げないように工夫します。

トイレに入る場合

振袖を着てトイレに入る際は、袖をまとめておくことが重要!袖が床につかないように事前にまとめて持ち上げましょう。

便座に深く腰かけると帯が汚れたり崩れたりするので、浅めに腰かけることがポイントです。

  1. 袖をまとめる
  2. 裾を左右に分けてめくる
  3. 袖と裾を腕ではさむ
  4. 下着をおろして用を足す
  5. 裾を戻す
  6. 手を洗う

振袖姿で座るときの注意点

振袖を着て座る際は、以下のポイントに注意しましょう。

  • 袖が床につかないようにする
  • 裾を踏まないように注意
  • 着崩れしないように注意

袖が床につかないようにする

振袖の袖は通常の着物よりもさらに長く、座るときに床に触れてしまうことがあるため要注意。

床についた袖を自分で踏んで汚してしまったり、誰かに踏まれてしまったりすることがないよう、常に袖を気にして座るようにしましょう。

裾を踏まないように注意

振袖の裾が長いと、立ち上がるときに誤って裾を踏んでしまうことがあります。足元には特に注意を払うようにして、裾を踏まないように気をつけるようにしましょう。

ただし、裾を気にするあまり足首が見えてしまうことは避けたほうがよいため、見えすぎない程度に裾を上げるようにしてみてください。

着崩れしないように注意

座るときに足を組んだり、姿勢が崩れたりすると、振袖が着崩れてしまうことがあります。特に帯結びが崩れると見た目もバランスが悪くなってしまうため、常に姿勢を意識して座るようにしましょう。

振袖姿で長時間座るときのコツは「背筋を伸ばす」こと

「長時間振袖を着て座っていると体が疲れるのでは?」と思うかもしれませんが、実は長時間座るときのコツは「背筋を伸ばす」こと。

背筋を伸ばすことで着崩れを防げるだけでなく、締め付けに弱い箇所に紐が食い込んでしまうことを防げるため、疲れにくくなるのです。

姿勢に気をつけながら、できるだけ背筋を伸ばして座りましょう。

シチュエーション別|振袖着用時のお作法

振袖を着ているときは、座り方だけでなく、歩き方や物の拾い方、階段の上り方など、さまざまな動作が普段とは異なります。ここでは、振袖を着ているときのお作法について簡単に紹介します。

歩き方

振袖を着て歩く際は、裾を持ち上げて足元を確認しながら歩くようにしましょう。歩幅を少し小さめにして、転ばないように足元を慎重に動かすことが大切です。

大股で歩いたり、急いだりすると転倒や着崩れの原因となります。ゆっくりと一歩ずつていねいに歩くことを意識してみてください。また、普段よりやや内股気味に歩くと裾が広がりにくくおすすめです。

階段の上がり方

階段を上る際には、袖と裾を持ち上げることを忘れずに。まずは長い袖をまとめて左手で持ち、右手で振袖の裾を少し引き上げるようにします。転倒しないように、慎重に一歩ずつ上がりましょう。

物の拾い方

振袖を着て物を拾う際は、膝をいきなり曲げずに、腰を落とすようにしてかがむのがポイント。このときも裾や袖が床につかないように、片手で両袖を引き上げておきましょう。

振袖が着崩れしてしまった場合

もし、振袖が着崩れてしまった場合でも、焦らずに落ち着いて対処しましょう。以下の方法で、簡単に元の状態に戻せます。

裾が長く出てしまった場合

着崩れの中で起こりやすいのが、振袖の裾が長く出てしまうケースです。この状態で歩くと、つまずいたり踏んでしまったりする危険性があるため、気づき次第早めに直しましょう。

まず、長く出てしまった部分をそっとつまみ、つまんだ部分を上方向にゆっくりと持ち上げます。持ち上げた布を、帯の下にある腰ひもの一か所に絡めるように滑らせて、挟み込みながら長さを合わせます。

動いてみて長さが気になる場合は、同じ手順を繰り返して微調整しましょう。

衿元が緩んでいる場合

着姿のまま体を動かしたり、長時間経ったりすると衿元が緩みやすくなります。襟を直すには振袖の裾を捲る必要があるため、お手洗いなどで直すのがおすすめです。

振袖の裾をそっとまくり、下に羽織っている長襦袢の背中側を下に引きます。このとき、強く引きすぎないよう、徐々に引くようにするのがポイントです。首の後ろの開き具合が拳一つ分くらいになるよう調整しましょう。鏡がある場所で行うと便利です。

帯が下がっている場合

帯が下がってしまったら、両手を帯の下に差し込みます。このとき、振袖の生地を一緒につかまないよう注意しましょう。次に、帯の上を持って上方向に引き上げます。

こうすることで帯全体が均等に持ち上がり、元の位置に戻るはず。最後に帯の形を整えて、左右のバランスを確認したら完了です。

振袖を着て座る際のよくある質問

最後に、振袖を着て座る際のよくある質問についてまとめました。

Q. 振袖で椅子に座る時はどのように座る?

両袖を軽く押さえながら、体の前に重ねるようにして座ります。袖が床に落ちないように気をつけて座りましょう。また、背もたれは使わないようにして、帯が崩れないようにするのもポイントです。

Q. 振袖を着て座る時の崩れない座り方は?

帯結びが崩れないように、椅子には浅く腰かけることがポイント。座った後は足を組んだり開いたりしないように気を付けましょう。

Q. 振袖を着て座る時の楽な体勢は?

背筋を伸ばして座ることで姿勢がよくなり、振袖のシルエットをキープできます。また、長時間座る場合でも、まっすぐ座ることで締め付けが少なくなり、疲れにくくなります。

まとめ

振袖着用時の座り方やマナーについて解説しました。普段の洋服のような振る舞いでは着崩れてしまうため、1つひとつの所作に気を配ることが大切です。袖や裾を汚さないように心がけ、着崩れを防ぐために正しい姿勢を維持しましょう。

振袖を美しく着こなすためには、本記事で紹介したような少しのコツを覚えておくことが大切。振袖の着用が初めての方も、ぜひ意識して、素敵な一日を楽しんでみてください!