初詣で振袖を着ていいの?着用マナーや注意点、必要な事前準備を解説

「初詣で振袖を着ていいの?」と疑問に思っている方に向けて、初詣で振袖を着用するマナーや注意点、必要な準備などを解説します。

初詣は新年の始まりを祝う特別な行事ですが、服装に決まりがないため、振袖を着て行くことが可能です。初詣当日にあると便利なアイテムや寒さ対策もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

初詣の服装は自由、もちろん振袖もOK

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結婚式のようなフォーマルシーンでは服装マナーが重視されますが、初詣には特別な服装のルールはありません。そのため、カジュアルからフォーマルなスタイルまで幅広い着こなしを楽しめます。もちろん振袖も着用してOKです。

以下は、和装の中でも初詣に着用しやすい着物の種類です。

種類特徴や着用シーン
振袖若者向けの華やかなデザインが多く、おめでたいお正月にぴったり
小紋カジュアルな普段着として人気
ウールの着物寒い季節に暖かく着れる
訪問着食事会などフォーマルな装いにおすすめ

振袖を着る年齢としては、10代後半〜20代前半が一般的。未婚女性であれば年齢に関わらず振袖を着用できますが、30代以降の場合は落ち着いたデザインの小紋や訪問着がおすすめです。

初詣で振袖を着ても浮かない?

「初詣で振袖を着ると目立つのでは?」と不安に思うかもしれませんが、初詣で振袖を着ても浮くことはありません。むしろ普段よりも和装姿の人が多く、振袖姿を披露するいい機会です。

成人式を控えている場合は当日の予行練習として着用したり、購入した振袖を初詣の機会に着用したりするのもいいでしょう。

初詣で振袖を着用するメリット

初詣で振袖を着用するメリットは以下の通りです。

  • 振袖姿を大切な人に見せられる
  • あたたかいため、快適に過ごせる
  • よい気分で1年のスタートを切れる

それぞれひとつずつ見ていきましょう。

振袖姿を大切な人に見せられる

年末年始には振袖を着る人が多いため、普段なかなか見せられない振袖姿を恋人や家族に披露するいい機会。初詣は振袖を楽しむ絶好のチャンスです。

あたたかいため、快適に過ごせる

振袖は和装下着の上にタオル補正や長襦袢を重ねるため、実は冬でも温かく過ごせます。どうしても寒さが気になる場合は、後述する防寒対策も参考にしてみてください。

よい気分で1年のスタートを切れる

華やかな振袖で新年を迎えれば、自然と気持ちも明るくなります。新しい1年を気持ちよくスタートできる振袖は、お正月のお祝いシーンにぴったりな装いです。

初詣で振袖を着用する際の注意点

初詣で楽しく過ごすために、振袖着用時の注意点も押さえておきましょう。

  • 階段や段差に気をつける
  • 袖を引きづらないようにする
  • お手洗いは事前に済ませる
  • 着崩れしないように着付けする

それぞれ解説していきます。

階段や段差に気をつける

振袖はいつもの装いよりも裾が長く、歩幅が狭くなります。そのため、特に階段や段差での転倒には要注意。神社や寺院の境内には階段や小さな段差が多く、気をつけて歩く必要があります。転びやすくなるので、ゆっくりと慎重に歩くことを心がけましょう。

袖を引きづらないようにする

人混みでは袖が他の人や物に引っかかりやすいため、袖の長さに注意し、周囲に気を配ることが大切です。袖を引きづってしまうと危ないだけでなく、着崩れや汚れにもつながります。

振袖の長い袖は、混雑した場所では他の人や物に引っかかりやすいです。人混みでは特に袖を引きずらないように気をつけ、なるべく体に引き寄せて歩くようにしましょう。

お手洗いは事前に済ませる

初詣では、神社や寺院の近くのお手洗いはとても混雑します。事前にお手洗いを済ませておくことで、初詣の途中で困らずにすむでしょう。

また、振袖を着た状態でのお手洗いは想像以上に時間がかかるので、時間に余裕のあるタイミングで行くのがおすすめです。

着崩れしないように着付けする

お正月には歩き回ることが多いため、着物の着崩れが起こりやすいです。特に初詣の行き帰りや、神社の中を歩くときには注意が必要。

着崩れが起こらないよう、着付けの際にはしっかりと補正を行い、帯の締め具合を確認してもらいましょう。

当日の着付けやヘアメイクの注意点

ここからは、当日の着付けやヘアメイクで押さえておきたい注意点について解説します。

  • 着付け手段を早めに決めておく
  • 時間に余裕を持って行動する
  • 着付けの前に何か食べておく
  • ヘアメイクは振袖を着る前に終わらせておく

それぞれ解説していきます。

着付け手段を早めに決めておく

振袖の着付け方法は早めに決めておきましょう。自分で着たり、家族にお願いしたりする場合は問題ありませんが、プロの着付け師に依頼する場合は予約枠を確保する必要があります。

また、元旦は多くの着付け屋さんが休業している場合が多いため、事前に確認しておくことがポイントです。

時間に余裕を持って行動する

振袖の着付けには時間がかかるため、余裕を持って行動することが重要です。

振袖の着付けにかかる時間として、約2〜3時間は見ておきましょう。当日は思わぬトラブルが発生したり、想定よりも時間が押したりする可能性があります。

着付けに1時間、ヘアメイクに1時間かかることを想定した上で、残りの1時間はバッファとして確保しておくといいでしょう。

着付けの前に何か食べておく

着付け後にご飯を食べると帯が締め付けて苦しくなるため、先に軽めの食事を済ませておくのがおすすめ。また、着付け中に空腹感や疲労感が出ると集中力が欠けることもあるので、必ず栄養補給しておきましょう。

ヘアメイクは振袖を着る前に終わらせておく

ヘアメイクは振袖を着る前に終わらせておくとスムーズです。振袖を着る前にヘアメイクをすれば、着付け後にバタバタすることがありません。また、化粧で振袖が汚れてしまうことも防げます。

せっかくセットしたヘアスタイルが崩れないよう、当日の服装は着替えやすいように前開きのものがおすすめです。

初詣におすすめの振袖の色や柄

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初詣の振袖には厳しいルールがないため、好きなデザインの振袖を選べば問題ありません。

おめでたい色柄や、季節感のある色、縁起のよい柄など、お正月らしいデザインを選ぶと気分もぱっと華やいでおすすめです。

お正月らしくおめでたい色がおすすめ

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新年のお祝いにふさわしい、赤や白、松を思わせる緑などがぴったり。また、寒い時期の気分を盛り上げてくれるカラーとして、暖色系の朱色や山吹色、茜色などもおすすめです。

縁起のよい柄がおすすめ

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振袖にはさまざまな柄がありますが、お正月には縁起のよい柄を取り入れたいもの。宝づくしや松竹梅、雀、おうぎなど、幸運や繁栄を象徴する柄は新年の祝賀ムードをより一層高めてくれます。振袖はもちろん、小物アイテムを選ぶときもぜひ意識してみてください。

縁起のよいデザインの振袖を着て、よりよい新年のスタートを切りましょう!

初詣当日の寒さ対策

初詣は冬の時期にあたるため、防寒対策が欠かせません。ショールを羽織ったり、和装コートや羽織などを用意したりして、暖かく過ごせるよう工夫してみてください。

他にも、以下のような防寒対策がおすすめです。

  • 外から見えにくいインナー
  • 股上が浅く丈の短いスパッツ
  • 貼らないカイロ

それぞれ解説していきます。

外から見えにくいインナーを着る

振袖の着用時には、外から見えにくいインナーを選ぶのがおすすめ。袖が短めで襟ぐりが大きく開いたデザインを選ぶことで、見た目の雰囲気を崩さずに暖かさを保てます。見えない部分でしっかりと防寒対策するのがポイントです。

股上が浅く丈の短いスパッツを履く

スパッツも同様に、丈の短いタイプのものなら振袖から出る心配がありません。トイレのときに手間なく脱げるよう、股上は浅めのものがおすすめです。

貼らないカイロを持っておく

和装は洋服と比較して帯の締め付けがあるため、貼るタイプのカイロだとやけどしやすいです。貼らないタイプのカイロなら、指先が冷えたときにも温められます。

当日あると便利なアイテム

初詣の当日にあると便利なアイテムは以下の通り。お正月は写真撮影の機会も多いので、メイク直しや着崩れを直す際に重宝するアイテムをチェックしておきましょう。

アイテム用途
大きめのクリップや洗濯バサミ(2〜3個)トイレなどで役に立つ
大きめのハンカチ(50cm以上)下を向いたときに化粧で汚れるのを防ぐ
安全ピン・クリップ何かと便利
髪留め・ヘアピン髪が邪魔なときに役立つ・化粧直しのときにも便利
油取り紙・ミニミラー化粧直しに役立つ

着崩れした際の直し方

着崩れを直す際は、鏡を見ながら行うのが理想的。一人で直すのが難しい場合は、同行者に協力してもらいましょう。急激な動きは避け、ゆっくりとていねいに調整することがポイントです。

衿元が緩んでいる場合

衿元が緩んでいる場合の直し方は以下の通りです。

衿元が緩んでいる場合の直し方
  1. 両手で衿を持ち、後ろに引いて衿を詰める
  2. 右衿を左に、左衿を右に引っ張り、交差させる
  3. 衿の交差位置が鎖骨の真ん中辺りになるように調整する
  4. 両手で衿を押さえながら、体を左右にねじって衿を落ち着かせる

身頃が下がっている場合

身頃が下がっている場合の直し方は以下の通りです。

身頃が下がっている場合
  1. 両脇から振袖の身頃を持ち、上に引き上げる
  2. 腰の位置で振袖を持ち、身頃を上下に揺すりながら全体的に引き上げる
  3. おはしょりの量が適切になるよう調整する
  4. 身頃を引き上げて衿元や裾の乱れがないか確認し、必要に応じて調整

帯が下がっている場合

帯が下がっている場合の直し方は以下の通りです。

帯が下がっている場合
  1. 帯の両端を持ち、上に引き上げる
  2. 帯の位置が適切な高さ(通常はウエストのやや上)になるよう調整
  3. 帯揚げと帯締めも同時に引き上げ、位置を整える
  4. 帯結びの形が崩れている場合は結び目を軽く押さえたり引っ張ったりして調整
  5. 帯の下から振袖の身頃がはみ出していないか確認(はみ出している場合は中に入れ込む)

振袖着用後の手入れ

振袖を着たあとは、すぐにクリーニングに出すのが理想的。特に汗や化粧品の汚れは時間が経過するほど落ちにくくなり、クリーニングに手間がかかる可能性があります。

クリーニングの後は、自宅で適切に保管しましょう。シワがつかないように丁寧に畳み、「たとう紙」に包んでタンスなどで保管するのがおすすめです。害虫やカビを防ぐために、保管するタンスには和装用の防虫剤や乾燥材を入れておきましょう。

その後も定期的にケアすることで、振袖を綺麗な状態に保てます。半年〜1年に1回程度の頻度で、湿度が少なく晴れた日に虫干しをするようにしてみてください。なお、お手入れが手間に感じる場合は、カビや匂いを防ぐための加工をしてもらうのもおすすめです。

着物専門のクリーニングを行っている弊社では、抗ウイルスや消臭、防臭、抗カビ効果のある溶剤で着物を守るデオファクター加工に対応しています。定期的な虫干しも不要で管理が楽になるので、日頃のケアが不安な場合はお気軽にご相談ください。

まとめ

初詣で振袖を着るときのマナーや注意点、事前準備について解説しました。華やかな振袖は、おめでたい新年の装いにぴったりです。本記事を参考に寒さ対策や着付けの準備をしっかり整えて、素敵な初詣を楽しんでみてください。初詣に振袖を着て、晴れやかな気分で新年のスタートを切りましょう!